走る走る君たち

●例によって電脳網上をうろうろしてたら割と懐かしい作品を見かける。


迷宮物語」所収、川尻善昭の「走る男」。…そうかあ、もう二十年前なのか。いやー、短編アニメとしてとても正しい「奥行きのなさ」と「見た目のインパクト」と「単純な展開」。今見てもとても楽しい。しかしまあ、この頃からもうゴリンゴリンの川尻テイスト満載であってゲップが出そうではある。ていうかワタシ、こういう川尻さんしか知らんのですけどね。レンズマン以降のね。


まあ、当時感じた「主人公と脇役(やられ役)のクルマがあんまし見分けつかないので、初見時には何が起こってるのか一瞬迷う」という欠点は今でも感じるな。設定上では全然違うデザインなんだろうけど、基本的にベタ影と透過光ハイライトだけの画面だからなあ。そらガキ時分のワタシではよう判らなくもなります。


コメ欄見てて意外に思ったのが、アチラの人の感想として「懐かしい!」ってのが結構あること。はて? これは米国で…まあ、アニメファンのコミュニティ内で、そこまで膾炙した作品なのか? 「Liquid Television」という番組でやってたなあ、という記述があったので検索してみると、MTVでやってたちょいとオシャレ気味のアニメ紹介番組だったらしい*1。…しかし、放映アニメのラインナップ見ても他の作品は皆目判らんなあ。辛うじてイーオンフラックスくらいか? 逆に「何でこの川尻が紛れ込んだのか?」てな疑問も出てくるけれど。


あと「何これ? スティーブン・キングの「ランニングマン」のアニメ化?」てな感想もあって、あーやっぱそう思うよねえ、である。確かに設定とかも何となく似てますよね。…いやワシ、映画版のバトルランナーしか知らんけどさ。原作知らんけどさ。


●「迷宮物語」の残り、福島敦子大友克洋のアニメはアチラでは放映されてなかったようでんな。ワタシ両方とも好きだったんだけど。特に後者の「工事中止命令」、これは今まで発表された中で最も「大友克洋的」な作品でしたよなあ。AKIRAよりもスチームボーイよりも、ワールド・アパートメント・ホラー…は見たことないので判らんけど。皮肉でディテイル過剰でささくれ立つようなカサカサ気分があって、いかにも大友短編らしいベタ感もあって。「航空機よりも高いんだぞ!」。


てことでYoutubeには無いようだけど、ニコニコさんにはありました。ガイジンの古株アニメファンさんの感想も聞いてみたいとこだったけどね。