気になったのだそう

●「だそう」が気になった。テレビや動画なんかでのナレーションで伝聞体のシメとして付される表現であり、別に日本語としてことさらヘンテコでもないが多少違和感はあるなって程度なのだけれども、昨今はほぼ定番みたいに出てくるので違和感を覚えたという次第。こういうケースは私のアンテナが低いだけで、すでに議論も何も済んでるとこにのこのこ私がやってきただけってな状況が大概だが、検索してみたらまあそのまんま。数年前からフッツーに話題になってました。すまんねえ。

それにしても「だそうです」じゃダメな理由って何なんだろうね。いやワシも「だそう」の方がことさら劣ってるとは思えないしそれはそれでいいんだけど、ここまでキレイにシフトしてってる理由がイマイチ判んない。「です」という丁寧語にどんくさいイメージでもあるのかな。この辺包括的に解題した言説がうまいこと見つからなかった。…めんどくさいのは、私自身「だそう」を是とする感覚が言語化の手前レベルでなんとなーく判るって気分があることなんだよねえ。何でしょうね、これ。

 

ダンジョン飯

ダンジョン飯・14話。2クール目ってことでOP・ED更新。なんかすんげえ陽気で陽性で明るくて、まるで1期OPのような2期OPだなと思いました。物語は承前、先週あんなけ高い技量で演出しきったチルチャックたち感動の物語が、なんかぽわぽわエフェクト飛んでるへっぽこシーンになってんの笑ってしまう。こういうとこの抜き方が絶妙なんだよね。やろうと思えば多分、いくらでもシリアスにやれる作者ではあろうけれども。

本編はちょいと巻き戻してカブルー一行。モンスター相手のダンジョンクロールでは二流がいいとこだけど、人間相手にはおっそろしい精度で処理対応をこなせる、カブルーという青年の描写である。実際彼の思考/構築ぶりは処理というのが相応しい、十二分に主役としてイケるくらいのキャラ立ち具合であり、そらまあ一癖もありそうな彼のパーティ連中が「まあカブルーがそう言うなら」で従っちゃうのも肯ける。まさに合理性と適切さのカタマリ…に見えるように話を作ってんのが上手いなあ。

そして些細な出来事やちょっとした誤解によって、ライオス一行の印象がソコハカとなくよろしくない…カブルーたちからすりゃ一発ぶん殴ってやりたい、ってレベルにまでなっちゃってんのがこれまた上手い。なまじライオスたちがグッドネイチャーで素直気味な連中だけに、こういう多面性を見せる展開ってのは新鮮である。実際「ライオスはいい人というより人間に興味が無いだけだ」というカブルーの看破はまあ、正しいワケでねえ。

話のケツでシュローご一統(イヅツミちょっとだけ)と合流。ここでまたシュローをたらし込むヤリクチの鮮やかさたるや、もうね。この朴念仁じゃカブルーの人間力には到底かなわんよな。あとやっぱりタデちゃんの属性モリモリっぷりは凄いと思う。人気出るに値する。出番あんまないけど。あとEDにまた九井先生が大量に絵描いてる。すげえわ。1クール目は前パーティで今回は現パーティの時制って感じですかね。

縦だか横だかわからんステーキ(豚)

●なんばのマロリーでポークステーキ喰ってくる。以前話を聞いた時に「東京はこんな店あってうらやましいなあ」と思ってて、それが大阪に来たってので早速食べに行って満足したという経歴がある。今まで数回行って毎度1ポンド(富士山だっけ)とハイボールをお願いする。塊肉を希望量で切り分けるというサーブ形式なので、毎度肉の形状にはバラエティがあるんだけども…。

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今回の1ポンド塊はまた、とてもいい感じに「縦だか横だかわからないステーキ」になってて感心したので写真撮った次第。ミバはいいけど切りにくいし喰いにくい。そしてそれもこのメニューの楽しみと味わいの一部分である。ごっそさんでした。とまあ、そういう日記。

狼と香辛料

●新番組・狼と香辛料。えー前回のアニメ化って最近だったのにと思ったらもう15年くらい経ってた。新たにアニメ化すると聞いた時はてっきり続編小説の子供世代話をやるのかと思ったが、初っ端からマジでリメイクなのね。アバンで子供世代とか、そういう匂わせはあるようだけれど。

というわけで新たなる本作は、確かに今現在のアニメ技術とデザインだけど全体的な様子には確かに前作の精神的なつながりがある…っつーか、総監督と主役二人がおんなじである。宮野と小清水は15年経って相応に落ち着きと演技力が乗っかってる、んだろうな多分。違和感なさ過ぎてよく判らんが、前作と聞き比べたらかなり違いそうな気がする。

雰囲気も丁寧さも、今後を期待させるに充分な語り起こしと言えるだろう。一応視聴継続しますけど…多分感想は書かないと思います。ぼんやり見てひとりで満足するという、そんな感じの視聴になりそう。

夢の話:虫出てくるので留意

●夢を見る。寝床の中ふと目覚めて枕もとを見ると小さなクモがいる。普通のハエトリグモよりもまだ二回りも小さく、ツツ・ツツと断続的に歩く。クモは嫌いではないが見かけるのは珍しいなと見ていると、進行する先に都合よく小さな羽虫がいる。クモは間合いを計ったり回り込んだりと狙いを定め、ぱっと飛びついて獲物をゲットする。いい瞬間を見られたなと思っているとその横にまたクモがいる。同じく小さくてピンク色で…これはダニだろうか? いやクモだろうか。やはりそこら辺にいた小アリを狩っている。更にその奥には一回り大きな羽虫が…ってとこで、いやまてこれは流石におかしいと飛び起きる。寝床の横に20㎝ほどもある乾燥した糞のような有機物があり、記憶を辿ると確かに前日からそこにあってそのまま放置していた気がする。そこから虫だの何だのいろいろ出てきたらしい。手で触るのも布で拭くのも憚られるモノだけに対処に困るが、鉄のトングを持ってきてつまんで窓から外に放り投げる。窓外はそこそこの広さの湿った草むらで、放り投げられた有機物は古いベランダの角なんかに点々と跡を残して向こうの壁にぶち当たる。汚染源のモノを捨ててもその周囲の床にはまだ汚れがある…というか、この滲出物だか他の虫の排泄物だかも結構な量である。それをこそげ取りつつ、そこら辺にまだいる他の虫もつまんで捨てる。敷布団に半ば潜り込んでうごめいている毒々しいカイガラムシみたいな色の数㎝もある虫、羽アリのような形だがこれも二回りほどでかい謎の虫などを駆除する。よくこんな布団に寝られてたなとうんざりし、えいと敷布団をめくるとベッドのマットレスは半ば腐り、白い糸くずのようなものに覆われていてこれが全て蠕虫である。いかんこれは、これは多分夢だ。

ハッと気づくと目が覚め、寝床から起き上がってホッとする。いやしかし夢と現実はやっぱり意識が違うな、こうして本当に起きていると何だか気分が明るいや、とか考えつつ寝床の横に小さな甲虫を見つける。そうだよな実際にいるのはこういう小虫だ、と思いつまんで窓外に捨てる。横の土壁にも別の虫が這っていてそれも捨てる。いつの間にか敷布団が土のような質感になっていて、潜り込んでいる甲虫の姿が見える。鉄のトングを持ってきてつまんで捨てる。ひときわ大きな虫を捕まえてよく見ると、クワガタムシかハサミムシのような大あごを持っている。ひょっとしてこれは幼虫でもいるのかと更に掘ると、でかいヤマトゴキブリが出てくる。一匹つまんで捨て、もう一匹もとトングを閉じると虫の足だけごそっとちぎれて取れる。何とか本体をつかんで捨てる。窓外を見るとそのゴキブリは目下のコンクリ壁に引っかかり、ちぎれた足を虚しく振り回してずり落ちていく。これはもうここで寝るわけにはいかないな、ベッドって新たに買ったらいくらくらいするのかな、と思いつつ敷布団をめくると茶色に変色した樹脂の塊が見える。先刻の夢よりも二回りほど大きな蠕虫がたかっており、なるほど実際はこういう虫だよなとヘンな感心をする。そこで目が覚めた。今度は本当に。

実際気持ち悪い夢だが、絵に描いたように天丼構造になってたのが面白い。あと現実の寝床はベッドじゃなくて布団であり毎日上げ下ろししているのでこういうことは無い。のだがやっぱりなんかアレなので、起きてからいっぺん敷布団をめくってみましたけれども。大丈夫でした。

●追記。なんかもやもやとアレな気分なので久しぶりに布団と枕のカバーを洗濯し、布団を干しました。快適です。

薬屋のひとりごと

薬屋のひとりごと・最終話。マオマオのはからいによりラカンはある妓女を身請けするに至る。それは彼の生涯における後悔の源である女、思い人にしてマオマオの母。意外というか何というか、マオマオ自身はラカンに対してそれほどの悪感情は無いという。「一発命中したから自分が在る」ワケだしっつってもねえ。恨みは無いが生理的にキモい、あと才能も認めるけどってとこか? まあらしいっちゃらしいのだが。…妓女フォンシェンの様子を見るに、梅毒の後期症状だろうね。もう長くはないんだろう。

身請けの宴を受け、マオマオが楼壁の上でしきたり通りにひと踊りする。彼女なりの、父と母への祝福でありある意味の手向けってことだろう。一連のシーンは作画も演出も一作のクライマックスに値する丁寧な、気合の入ったシーケンスになっていた感じ。その後のあざとい作劇であるジンシ様との疑似イチャイチャも含め、ひとまずのシメとして適切なものだったんじゃないでしょか。まだこっからロウラン妃関係のネタとか、手つかずのネタがモリモリあることだしなあ。

●総評。構造としてはヤレヤレ系の主人公が他の者には無い才能(化学薬学の知識と推理力)を駆使して問題解決にあたる…というものであり、そこに身分を隠したイケメン男がだんだんと近づいてくるというロマンスも欠かさないと。その両輪が関係しつつ着実に進行してってるのは、原作者のシリーズ構成がしっかりしてるってことだろう。ただちょっとしっかりしすぎているってのがですね、まあこっちの脳みそ能力の問題なんですけどね、伏線とか仕込みがロングスパン過ぎて忘れてるってのがままあってですね。これは再読性に優れるという作品の長所でもあり、文句言うことじゃないんでしょうけどもね。

そういうおっさんの愚痴は措いといて、作品の出来としては視聴者の求められるものをキッチリお出ししてきたものだなと思う。耽美な要素もミステリなネタも書き込まれ度合いが深く、丁寧。総じて高いレベルでまとまったアニメだったという印象。ちょっと自分自身の嗜好とは離れたところにある作品なのだが、それでも楽しく見られたってことがその証左と言えるでしょうね。

作品後に2期制作の発表あり。上記の未解決ネタ含め、分割2期ありきの制作体制だったのかな。ともあれ、楽しうございましたです。