夢の話:虫出てくるので留意

●夢を見る。寝床の中ふと目覚めて枕もとを見ると小さなクモがいる。普通のハエトリグモよりもまだ二回りも小さく、ツツ・ツツと断続的に歩く。クモは嫌いではないが見かけるのは珍しいなと見ていると、進行する先に都合よく小さな羽虫がいる。クモは間合いを計ったり回り込んだりと狙いを定め、ぱっと飛びついて獲物をゲットする。いい瞬間を見られたなと思っているとその横にまたクモがいる。同じく小さくてピンク色で…これはダニだろうか? いやクモだろうか。やはりそこら辺にいた小アリを狩っている。更にその奥には一回り大きな羽虫が…ってとこで、いやまてこれは流石におかしいと飛び起きる。寝床の横に20㎝ほどもある乾燥した糞のような有機物があり、記憶を辿ると確かに前日からそこにあってそのまま放置していた気がする。そこから虫だの何だのいろいろ出てきたらしい。手で触るのも布で拭くのも憚られるモノだけに対処に困るが、鉄のトングを持ってきてつまんで窓から外に放り投げる。窓外はそこそこの広さの湿った草むらで、放り投げられた有機物は古いベランダの角なんかに点々と跡を残して向こうの壁にぶち当たる。汚染源のモノを捨ててもその周囲の床にはまだ汚れがある…というか、この滲出物だか他の虫の排泄物だかも結構な量である。それをこそげ取りつつ、そこら辺にまだいる他の虫もつまんで捨てる。敷布団に半ば潜り込んでうごめいている毒々しいカイガラムシみたいな色の数㎝もある虫、羽アリのような形だがこれも二回りほどでかい謎の虫などを駆除する。よくこんな布団に寝られてたなとうんざりし、えいと敷布団をめくるとベッドのマットレスは半ば腐り、白い糸くずのようなものに覆われていてこれが全て蠕虫である。いかんこれは、これは多分夢だ。

ハッと気づくと目が覚め、寝床から起き上がってホッとする。いやしかし夢と現実はやっぱり意識が違うな、こうして本当に起きていると何だか気分が明るいや、とか考えつつ寝床の横に小さな甲虫を見つける。そうだよな実際にいるのはこういう小虫だ、と思いつまんで窓外に捨てる。横の土壁にも別の虫が這っていてそれも捨てる。いつの間にか敷布団が土のような質感になっていて、潜り込んでいる甲虫の姿が見える。鉄のトングを持ってきてつまんで捨てる。ひときわ大きな虫を捕まえてよく見ると、クワガタムシかハサミムシのような大あごを持っている。ひょっとしてこれは幼虫でもいるのかと更に掘ると、でかいヤマトゴキブリが出てくる。一匹つまんで捨て、もう一匹もとトングを閉じると虫の足だけごそっとちぎれて取れる。何とか本体をつかんで捨てる。窓外を見るとそのゴキブリは目下のコンクリ壁に引っかかり、ちぎれた足を虚しく振り回してずり落ちていく。これはもうここで寝るわけにはいかないな、ベッドって新たに買ったらいくらくらいするのかな、と思いつつ敷布団をめくると茶色に変色した樹脂の塊が見える。先刻の夢よりも二回りほど大きな蠕虫がたかっており、なるほど実際はこういう虫だよなとヘンな感心をする。そこで目が覚めた。今度は本当に。

実際気持ち悪い夢だが、絵に描いたように天丼構造になってたのが面白い。あと現実の寝床はベッドじゃなくて布団であり毎日上げ下ろししているのでこういうことは無い。のだがやっぱりなんかアレなので、起きてからいっぺん敷布団をめくってみましたけれども。大丈夫でした。

●追記。なんかもやもやとアレな気分なので久しぶりに布団と枕のカバーを洗濯し、布団を干しました。快適です。