ダンジョン飯/怪異と乙女と神隠し/ザ・ファブル

ダンジョン飯・17話。ライオスとシュローの所謂修羅場ってヤツが落着する間もなく、ハーピー襲来にシン・ファリン…狂乱の魔術師によって異形と化したモノの濫入。マイヅルを蹂躙しつつ飛び降りてきたシーンからの、ヒト部分の外見はあくまで愛らしい姿のままで無茶苦茶に危険度の高い存在、という一連の描写がキレッキレである。この辺の作画と演出はダークファンタジー的な容赦のないテイストが濃厚でよろしかった。…そんなファリン見ての第一声が「かっこいい」はライオスお前ホンマライオスやな! 

てことで、状況はシリアスのレベルを深めつつも一旦は整理される。少なくともライオスとシュローのわだかまりはあるべきところに収まった、のでしょうかね。彼ら二人の漢と漢の殴り合い、軽く脱構築されてるのでそのまんまテンプレシーンってワケでもないが、シュローがなりふり構わず本音を吐露してライオスに叫ぶのが「お前が苦手でたまらなかった!」なのが…嫌いや憎いじゃないのがすごくいいよな。うるせえバーカ! ですよ。

一方のカブルーはまあ…いろいろと苦労してますけども、それはまだ彼が「殴り合い」してないから、ってのは酷な言い方になるだろうか。まあ思案せんでもこれからみんなに試練は降って湧くでしょうけどもね。あと「シュローは怒っちゃいるが近々は問題ない、それよりも…」と課題の切り分けができ、緊急時にまずリーダーに指示を出せと怒鳴るチルチャックが本当に頼もしかった。あの場において唯一のオトナだったと言えるかもしんない。頼れるわあ。ダメだったけど。

●怪異と乙女と神隠し・3話。アバンの先生幼少期受難物語からしてなかなかしんどくて辛い。そりゃ歪んだいじめ排斥超人にもなるやろなあとは思わされる。話の決着は全て解決ではなくどうにもスッキリしないものを残すという形式で、また次回以降へ続くヒキの要素もある。メインギミックがいじめだからなあ…過去の屈辱を今はらして万々歳ってことにもならんしなあ。

相変わらず物語本編以外のディテイルが豊富というかそっちがメインなんかいというか、そういうとこがこの作品の味なんではあろうけれども。ぱっつんぱっつんの学生ジャージでいろいろはみ出させてるすみれこさんは何なんだろうね。いや作者の嗜好性だと言ったらそれで済んじゃうんだけど、何なんだろうね。あと「恵体」の読みは「めぐたい」を採用なのね。響きよりも語源を採りましたか…いやどうでもいいなこれ。いま急に気付いたけどめぐたいならこれ湯桶読みに当たるんだな。どうでもいいなこれ。

先生の怪異主体として登場の牛鬼、そういやこないだのダンジョン飯でも出てきてたなあと思ったら井上円了出てきた。俯瞰的に見りゃこの人は明治期の重要な哲学者ってとこだろうが、まあワシらみたいな木っ端知識の野郎どもからすりゃ妖怪分類学のおっさんだもんな。

ザ・ファブル・3話。アキラさん、寝る時はベッドにダミーの布団のっけて自分はバスタブ、ってのはなかなか偏執狂っぽくもあり、過去これで命救われたであろうという修羅っぽさもあり。そんな彼に「人間性を持て」つってペット飼う指示出すボスってのもよう判らんなあ。ナイトホークカスタムってんですか? 愛用銃の刻印見てペットを鳥に決めるってアキラさんは…これ人間性なのかな。まいいや。

人間性で言えば、そういや今んとこ海老原の若頭がサブの主役的な話になっている。確かに得体のしれないスーパーキャラ(アキラ)は舞台装置的な扱いで、視聴側の視点を担う者としては人間性のある人物がよろしいってのはその通りだしな。ってヤクザの武闘派若頭がソレに該当しちゃうってのがまずアレですけどね。

いやがらせのチンピラに襲われ、一般人ならこうだよな…つってやらかす常識外の運動能力で翻弄しといて帰ってきて、「なんか楽しかった」で済ますのがもう可笑しい。けどこんなこと連続で済ますわけにもいかんしなあ、と思ってたらどうやら本格的に若頭のテストですか。その一方で、ヨーコさんは舎弟のチンピラに歓待されてるけども…軽で食べ放題焼肉に連れてく、それが最高級デートプランってのがすっげえ身につまされるわあ。

うん、全体にシチュエーションコメディとしていい感じのユルさがあり、その裏っ側が血腥い殺しの世界という表裏性もいい。原作が面白いのは当然の前提として、アニメ低予算でようやってるわ。俺好きかも。