ブレイバーン/ダンジョン飯/フリーレン/薬屋のひとりごと

●勇気爆発バーンブレイバーン・5話。準備する軍人たち。イサミにどう相対すべきか、ルイスにアドバイスするブレイバーンがやっぱり人の機微を判りすぎててなんか怖い。そのノリでボクシング、拳と拳の会話になるのは野郎の物語の王道ではあるが、あるけど…そっちネタかあ。あくまで当事者二人にはその意識はないってことで。そしてかくましのメカニックさんには一種のキャラ付け的しわ寄せがいく…と。

まあそういうちょっとしたネタがありつつも、ちゃんと主役二人の関係性進展話になっている。ブレイバーンが適切にその場を仕切る、高い共感性と人間性があるという呈示もする。無邪気で視聴者の好感ポイントを稼ぐルルも居る。…しかしその背後には壊滅的状況の地球だったり根っこの正体が不明なブレイバーンとルルだったり、そういう引っかかりも残してるんだよね。あの超次元3Dプリンタ・ビルドバーンも一体どう使われることか…どんなビックリドッキリ必殺技だろうかねえ。

第1回のサプライズの為もあって軍事描写には力を入れている本作だが、「電磁カタパルトには情緒がない」ってのが一般的な話のフックになると思ったら大間違いだからな。…ブリーフィング前に「てーはっ!」つってんのありゃ何だと思ったら「アテーンション!」がごっつ訛ってそうなったらしい。日本とで言うと「気を付け」が「では総員ッエェーイ!」みたいになるアレか。押忍とかシャッセーとかそういうのか。へー。

ダンジョン飯・6話。Aパートは呪いの絵画。大好きな絵の中に閉じ込められた、状況でその中のメシを喰おうと試みるってのは流石ライオス。心の中にある何らかのブレーキが利かない人なのだなあ。結局は画餅そのもので徒労に終わるって話だが、先の展開に向けての布石の要素でもある。父王に大塚芳忠、魔術師シスルに小林ゆう。デルガルの志村知幸という方は寡聞にして知らんかったのだが、検索するとアニメから吹き替えからすんげえ経歴の方ですねえ。こういう作品の屋台骨を支えるサブキャスト、俺が知らんだけでいっぱい居てはんのよな。

Bパートはミミックとチルチャックのトラウマ。手の込んだパズル的トラップがテーマの話で、Wizというよりダンジョンマスターを思い出す。こういう細かいギミックはテーブルトークよりもコンピュータゲームの方が再現しやすいだろうね。壁の文字列は既出の宝虫がヒントになったり、イレギュラーとしての生きたミミックが攻略のブレになってたりと話の構築が上手いわよね。…ヤドカリとヤシガニを合わせたような本作のミミック、本義の「物まねする生物」とはちと離れるが良いアレンジ。中腸腺とかあるし、マジで甲殻類なんだなコイツ。

●葬送のフリーレン・22話。一次試験終了で受験者は一休み、ってことはその間だらだら三昧に堕していたシュタルクさんの天下は終了ということらしい。シュタルクのよふかしや夜中のジュース摂取にぷんすかするフェルンは束縛系彼女の資質が存分にある。大変だねシュタルク。飯屋で豪華な夕食を摂る、三者三様のメニューがなんかこう、すごくそれらしい。

合理があれば殺人をするリヒターは老婆(祖母かしら)のランプを修繕する。老獪な宮廷魔術師のデンケンは彼にメシ喰いに行こうと誘う。ラオフェンはじいさんにベーグル買ってもらってる。この作品の人は皆どこか人間らしいスキがある。それは多分…魔族の非人間性との対比もあるんだろうかなあ。

その他フリーレンのチームメイトだったお二人や人殺しユーベルさんなど、目立ったキャラにもしっかり街での様子を見せてひとまずのシメ。定番のヒンメルたちの回想も含め、こういう幕間的な話がちゃんと面白いってのはいい作品である。…自称天才料理人レッカ―に川田紳司、なぞのジジイにチョー。脇のチョイキャラに贅沢な演技派連れてくるなあ…。

薬屋のひとりごと・17話。ジンシ様のお化粧依頼は「もっとぶさいくにすること」であった。マオマオの手腕を尽くしてやっと二枚目半になる、途中で戯れに紅引いたら傾国級の美形になってドン引きする、などの描写。美しすぎる人ってのは安易な設定なんだけどギャグにしちゃうと割と癖のない形で話に盛り込めるな。そしてやることはマオマオの帰省にくっついての…まあデートっすね。逆に美女に変装したマオマオとのペアであり、つまりまあ倦怠期の夫婦には新たな刺激が必要というヤツっすな。違うけど。

とりあえず本編に関わる話も出てくる。まずは養父のおやじどの、希代の薬師なのに冷や飯喰らいの元宦官という現状はいかなるか。そして「高嶺の花の妓女の勝ちを下げること」について。つまりこれは、あのラカン軍師がマオマオの生物学上の父である匂わせということか。うーん、実際はどう転ぶことかねえ。

デートらしい楽しさのシーンが出店の焼き鳥を喰う、って辺りがあざとい作劇ではある。ここに一番のキメ絵を持ってくる辺りもね。