ダンジョン飯/怪異と乙女と神隠し/ザ・ファブル

ダンジョン飯・16話。まずはご一統のダンジョンクロール再開。チルチャックとマルシルのドヤ顔が連続で見られるという特典もあります。徘徊生物ダンジョンクリーナー、名前聞いただけだとD&Dのゼラチナスキューブみたいなスカベンジャー系の生き物かなと思ったら、どっちかというと血小板や免疫機構的な修復機能を有する存在、のようだ。ダンジョンは一つの生態系であり、ライオス達はその夾雑物であるという一面を提出すると。

ライオス組・シュロー組・カブルー組と一時的なれど期せず大所帯となったことで、人間関係やテンションの微妙な雰囲気が面白い。坊っちゃんファーストで場を仕切りがちで排他性の強いマイヅルが、お世話仕事の一点でセンシと通じ合うのもアイデアだし、初見のカマかけでライオスのイノセントさを看破するカブルーの小憎そさもいい。ライオス・シュロー・カブルーの青年(?)組でゴタついたとこ、獅子のレリーフがあるの印象的。…あと、カブルーの人心掌握術とその嗜好性は…。演技上手いなあ、物語レベルでも演技/演出レベルでも…。

今回は割と状況と展開の整理回かな。あと勘違いで着こんじゃったカエルスーツをずっと着てるマルシル、やっぱ気に入ってんじゃんね。

●怪異と乙女と神隠し・2話。アバン、大過去と近過去カットバックで自分の制作物に論評を受けている菫子さんのシーンは…賞賛も批判も単語のチョイスが実にナマっぽくて、これ作者が実際言われたことなんだろうかあるいは作家仲間からヒアリングしたのかなどと思いつつ、こういうセリフ群を根っからテメエ自身でひねり出すってのも一種の創作的快感としてあるよなあ、とかいろいろ考えた。

とまれ、本編。アラサーからティーン姿に変身して女子高にスニークミッションの菫子さん。…いろんな方面へのフェチ実績を同時にクリアするような勢いではある。先導/扇動する人外・化野さんには「妹を元の世界に還す」という目的があるようで、その一環がコレということらしい。その化野さん本人はMILFフェチである。妹の乙さんはブラコンなので菫子さんへの当たりがきつくて「若作先輩」「団地妻」呼ばわりはなかなかのデッドボールである。菫子さんはお嬢様少女の軍団とキャッキャウフフしたい。そして当のお嬢様学園はご期待通りの百合ん百合んのピンク学園である。これもうどうしようもねえな!

お話自体はいろいろと尖ったところがあるのだが、アニメへのアダプテーションはかなりオーソドックスな演出というか、もうちょっとツメ気味に語ったりいびつなとこがあったりした方が個人的には好みではある。まあその辺はバランス意識によるものと言えるかもしれない。とりあえずこの調子で毎度の異変話を語ってくれるならば面白そう。次回待ち。

ザ・ファブル・2話。伝説の殺し屋・ファブルの前評判を盛るだけ盛っといた上で、応接間で顔合わせしたらボーダー柄のへっぽこ青年姿、というどこかズレた抜き方がいいな。ファブル/アキラのド突いても音のせんような、イラっとするキャラは…何でしょうね。作った結果か元からそういう性格なんか。

どこか人間性が欠落しているようでそうでもなさそうで、とにかくとっつきは悪いアキラと、その裏表のように感情もバランス感覚もあって振り回され気味ながらフランクにアキラとつきあえる洋子のキャラがいい。ヨーコさんはヨーコさんで、二人ん時に暴漢に絡まれて「お前は先に帰っとけ」言われて「もう一軒飲みたかったのにぃ…」でサッサと帰れる位には裏社会の人なんだよな。今回の話は「アキラが上手いこと一般人を装った」という技量の高さの話だったけれども、こっからどう展開させるんかしら。話のヒキ方はなかなか上手い。

しかし1話んときも思ったけど、大塚明夫の演技いいなあ。レジェンドであることは間違いないのだが、大仰さもないベタっとした生のおっさんっぽさをキッチリ出せるのはホンマにすごい。