フリーレン/薬屋のひとりごと

●葬送のフリーレン・16話。Aパートは古の戦士・フォル爺さんとの再会。フリーレンが彼をして「長寿友達」だと嬉しそうに言うのは少ない同士を思えば少々物悲しくはあるし、その長寿もいつかは終わることを暗示する流れも無常を思わせる。それでも記憶を、ミームを未来につなぐことを是とするってのがフリーレンの今の旅の目的なのだろう。フォル爺の妻の回想シーン、1コマ打ちで違和感を出しているな…と思ってたら、そのあとでまさかああいうギミックに繋ぐとはなあ。同じシーンの1コマ/3コマ打ちの差で演出のキモとするって技法、浅学な身として初めて見たよ。

Bパートはザインの古い友人・戦士ゴリラについて。てかこの世界ゴリラ居るんだ…。犬猫馬牛居るだろうからそりゃゴリラも居ておかしかないだろうけど、なんかこう…ひとつふたつレイヤが別な感じなのでソコハカとないおもろさがあるな。そしてザインの旅の目的が見つかった今、このパーティはどうするか…ってとこでシメ。次回はちょい先だっけ? 引っ張るなあ。

フォル爺に星野充昭、そんなにジジイ声の印象はなかった(検索したらまだ60半ばだし)けど、あまりにも上手い適正なジジイ声に演技力を見る。個人的にちょっと演技指導を頂きたい。頑固婆さんの久保田民絵についてはお名前存じ上げませんでしたが、ものすげえ俳優・吹き替え経歴でそりゃこんだけの演技力ありますわなと思いました。花咲くいろはのおばちゃんか。

薬屋のひとりごと・11話。侍女フォンミンはアードゥオ妃の子の死に対して負い目を持っている。ここで前回のハチミツネタが出てくるのね…予測してた幼児へのボツリヌスじゃなくて植物起因の毒性だけど。ここに居合わせたマオマオのおやじどのがしわ寄せ喰らい詰め腹切らされたワケだ。フォンミンは無知による失態とその隠ぺいに伴う失態、悪意はなけれど罪はある。…マオマオさんがこんな重いことに関わっても取り乱さず踏みとどまっているのは、出自に伴う無常観もあるのだろうな。

そしてコトはそれだけにとどまらず、どうも皇帝の取り替え子疑惑やらマオマオさんの思わぬ連座ネタやらと続きそう。ジンシ様は皇帝の血を身に宿すってことか…めんどくさいねえ。パラメータの多すぎる世界はそれだけでゲー出るほどいやになるのだが、マオマオさんは同じくそれを嫌いつつもなんとかできる力量を持ってるってのが運の尽きなのであろうな。…唐突なジンシ様のよわよわモードは何なんでしょうね。お嬢さんファンはこういうのに弱いのでしょうか。判るような気はしますが。

引き続き日髙のり子の演技力に多くを負った演出ですわな。かつてのヒロイン声優がごっつい演技派になってんのはいいことだねえ。