ブレイバーン/ダンジョン飯/フリーレン/薬屋のひとりごと

●勇気爆発バーンブレイバーン・2話。アバン、前回死者の弔いシーン、主人公イサミの無益な拷問シーン。このシャレにならなさと対置されるのが、上っ面のロボアニメ的セリフしか吐かないブレイバーンと、カッチョイイ効果音付きの主題歌。この段階で、視聴者はブレイバーン的なモノに感情移入をさせないように構築しているワケだ。その後もこの「形だけの虚構/イヤなリアル」の重ね合わせは徹底されてて、キモい自己語りしてるブレイバーンとカットバックで拷問されてるイサミとか、お約束の展開を大声で待ち望んでるブレイバーンの一方スミスに助けられてるイサミとか、つまりまあ、そういうことである。

そして事態はイサミを再度戦いへと強要する。言ってみればこの回はロボアニメによくある「ロボに乗るのを迷う主人公」というシーケンスなのだが、こんなに「そりゃ乗りたくないだろうな」と思わせられる状況はそうそうない。ひたすら情けない顔で弱音を吐くイサミにとって、ブレイバーンだけじゃなくスミスも拷問もこの状況全てが悪夢だろうしな。

現出する類似の敵・スペルビア。傲慢、ですか? 杉田智和をキャストしながら機械的な効果音しか出さないってことは、今はこの敵の言葉を視聴者には聞かせてやんないということだよね。その辺も含めて濃厚に漂う茶番劇的な雰囲気に、しかし今は乗っからざるを得ない軍人たち/一般人/視聴者という構図。…うーん、今んとこかなり周到に妙な話を積み重ねてて面白い。こういうのがオリジナルアニメの醍醐味だわなあ。

ラスト、スミスがけっつまづいたお嬢さんはあれ、流れで考えれば今回吹っ飛ばされたスペルビアの中身だろうけど…そしたら敵対関係になるんかしら。そしてブレイバーンもいっぺんぶっ飛ばしたらお嬢さんになるんかしら。そしたら多分、坂本真綾声だろうな。あとエンディングについてはもう、いいや。そういうものなんだろう。

ダンジョン飯・3話。VSリビングアーマーで1話分。ライオスのモンスターへの偏愛のエエトコアカントコの2面がよく判る話。彼の知識だけではない、実地に経験したことを即座に行使できる応用力がリーダーの素養なんだよね。「生き物ならば対処もできる、そして喰える!」というのはライオスを象徴するセリフの一つではあろう。血が流れるなら殺せる、みたいな。ちょっと違う。

今回は手癖と言っちゃ悪いが、トリガーという制作集団の色がかなり前面に出た…つまりカートゥーニッシュで奔放な作画になってたな。アクションバトルの作画回として盛りやすい話だってのもあるだろう。おっしゃーいくぞーおらおらーの辺とか子供時代回想とかすげえ絵になってたし。最近こういう、作監の担当回によって絵柄が変わっちゃう(かつ質も高い)アニメ作品って少ないのでなんか良かった。

●葬送のフリーレン・19話。承前・鳥捕り選抜試験。フリーレン組のシュティレ鳥捕獲作戦は大掛かりかつ他のパーティへの挑発的行動を内包するものだが、その真意に気付いたのはデンケン御一統のみ。どうやらこのジジイの喰えなさっぷりは大概なものである。そして知らんうちにシュティレ捕獲に成功してるフェルン組、ユーベルと…えーとあのメガネ。三人のうち誰の功績なんだろうね。なんとなくユーベルさんはそういうの苦手っぽい雰囲気がする。なんとなく。

首尾よくシュティレ捕獲には成功したが、ここでデンケン組とのラウンドワンファイトに至るフリーレンたち。フェルンたちもガッツリと戦っているし、来週はバトルメインの回だろうか。それぞれ多彩な能力を持ってそうで楽しみである。…その中にあって、フリーレンの今回の見せ場が「水辺でどうぶつたちといっしょにずうっと待ってる」ってシーンなのがなんかいいなあ。この人は好きだろうし得意だろうね、そういうの。無論来週はちゃんと暴れてくれるとは思いますけれども。

薬屋のひとりごと・14話。新たな妃・ロウラン妃の赴任、その際に上級妃の講師に任命されるマオマオ氏。つまり房中術っちゅーこっちゃね。妃各々それっぽい反応する中、ロウラン妃はどうも協調性も興味もないように見える。ミステリアスな雰囲気はこの作品の根幹に関わることなのだろうか。

同時進行で謎のボヤ騒ぎ、ここでマオマオ氏の探偵パートか。重要遺留品のキセルがキラッと光るの、なんかゼルダ思い出しちゃった。…でネタは定番の粉塵爆発だが、この場合は粉塵のハウダニットよりもホワイダニット/フーダニットの方が重要みたい。それはまた次回へ続いていくということで。

曼珠沙華ヒガンバナ)見つけて大喜びのマオマオ氏、薬としてじゃなくて喰う前提なのが毒好きの面目躍如である。救荒食にもなるという知識はあるけど、喰う気にはならんなあ。あと2クール目からちょろちょろしてはるラカン氏なる男は何でしょうね。今んとこものすごくつかみどころがない立ち位置だが。