ヘルク/フリーレン

●ヘルク・23話。ちょい久々のヘルク側話。強制的な話の進行上の迂回路みたいなこの旅を、「良い旅だった」というのがヘルクとヴァミリオ両者の共通認識ってのがなんかいいね。そして彼ら一行の前に現れるのはラファエド卿。ここで彼がヘルクに言うのが単なる「お前は負けだ」ではなく、「お前の望みは叶わず再度仲間たちを不幸にする」ってのがアレっすね、知った風な…というか、もうちょいメタな表現するなら「物語展開上のギミック」を持たされてるキャラだよね。卿の場合はそれに加えてある種の誠実さが見える≒悲劇的立ち位置が確定してるとこもあるかな。

ヘルクに対して対立的な問答をするラファエドとヴァミリオだが、その根っこんとこはヘルクの強大な存在への信頼があるってのが主人公の証ではある。ヴァミリオのここぞってとこでのちょいギャグ的なツッコミ叱咤に対して「これがヘルクの支えとなってんだな」と看破する卿が聡いことだし、またちゃんと底抜けっぽい演技やらかしてる小松未可子がさすがだなあと思います。ほんまサトタツ監督に信頼されるだけのことはあるお人やでェ。

●葬送のフリーレン・15話。Aパートは村を襲う眠りの呪い。なんかそんな話ドラクエであったね、というかおとぎ話の定番か。呪いとは未だ人の理解の及ばぬ魔術的概念であり、それをブラックボックスのまま扱っているのが僧侶というジョブだと。対比としてのフリーレンの属する魔法使/魔法はロジカルに体系化されてるってことね。なるほどラインの違う魔法体系の設定としてなかなかおもろいな…と思ってたら呪いの元凶としてなんかすっげえの出てきた。このケバいお花の魔物はなんというか…大雑把なデザインしてやがんな! 声優ボイスで喋んないのが意外なくらいでしたよ。あとフリーレンが宝箱見つけた時の「うっひょー」が1000歳児かわいかった。

Bパートは影武者シュタルクさん。路銀の為に数か月単位で人身売買されちゃうシュタルクさんがかわいそうかわいい。ついでにフェルンも売買され、結果として二人は上流階級社交界にてしゃらくさいダンスするのでした。…なんでしょうねこの茶番。フリーレン様だけが金貨とケーキと魔導書をゲットして独り勝ちである。いっぺんミミックに消化されてしまうといいのではないか。それはそれとしてシュタルクとフェルンの華麗なダンスシーンは、普段が普段であるというギャップもあり、丁寧な作画でちょっとした仮初ラブコメ演出の奥側レイヤにソコハカとないおかしみがあってよろしかったです。楽しそうだなお前ら。いいことだ。