フリーレン/薬屋のひとりごと

●葬送のフリーレン・7話。リュグナーが配下一番槍・ドラートをアバンでさっさとやっつけちゃうフリーレン。傲岸から蔑視、そして命乞いへというフルコースをあっという間にこなすドラート氏はいい役者ですな。彼の言葉を一顧だにせず息の根を止めるフリーレンは、そのあとのグラナト卿とリュグナーのシーンと対比的である。言葉というものに過剰な情感を乗っけない魔族たち、彼らの行動心理学…心理ってもんがあるとすればだが…は、ある種の人々にとっては興味深いんじゃないだろうか。フリーレンはそんなもん何の価値もないと言うだろうけれども。

今回は本アークのボス・アウラとの対峙までのタメみたいな話。だから地味とか退屈とかそういうのとは程遠く、トボけたフリーレンの脱獄や弟子二人の根っこの強さ、魔族たちのざらっとした異質性など見どころ多くて飽きさせない。話の最後にメインタイトルの回収シーン持ってきてフリーレンのキメポーズ、という歌舞伎マインド満載の大見得シーンもあってかっちょよろしなあ。とりあえず次回を楽しみに。

●新番組・薬屋のひとりごと。架空の中華王朝を舞台にアレコレする文学作品は一定のジャンルとして成立してて、個人的には後宮小説やバリー・ヒューガートの一連の翻訳小説がまず思い出される。こないだアニメ化してた後宮の烏もそうですね。本作も唐代っぽい都と後宮を舞台にごたまぜの中華風景を楽しむ形式のファンタジィですが、主人公が薬師でヤレヤレ系レイドバックキャラなのでそこそこ見やすい。物語冒頭で早速人さらいに遭って後宮の下女として働くことになり、目立たんようにしてたが当然ながらお偉いさんの重大事…ご落胤の後継者をめぐる陰謀に関わってしまう、と。王道だねえ。

主人公マオマオさんに悠木碧、相棒っぽいシャオランさんに久野美咲となかなか華やか。助演も脇もかなり手堅いキャスティングで落ち着いている感じ。作画スタッフに女性割合がとても多いのは、女性を描くのにはそっちの方が適性が高いってのもあるだろうし、イケメン描きたいってのもあるだろうし、そうなんでしょうね。ちょっと継続してみましょう。…次回のヒキである服毒事案はあれ、使ってる箸がキョウチクトウとかそういうヤツっすかね? どうっすかね?