水星の魔女/バーディーウィング/ヴィンランドサガ

●水星の魔女・22話。あっちこっち押し引きでよく判んない勢力図を、デカいラスボスに各矢印を集中させることでパッと見ぃでも判りやすくする手管は正しいね。てことで専用装備を提げて魔王の城に乗り込むスレッタさん(等)である。白くてホウキ持ってて名前がキャリバーン、という積層された暗示要素てんこ盛りのガンダムだけど、多分これが最終機体じゃないんだろな。…改めてテンペストを検索してみたら怪物キャリバンは最終的に失敗してる…っていうか、主役敵役それぞれの役割がある中でこいつだけ「ただ忌まれて失敗するだけ」だそうで。それを踏まえた上で、どういうハナシにもっていくかだわなあ。この機体とスレッタの状況に自己犠牲のギミックを持たせてあるのも、お話を盛り上げる上では効果的だろうね。

ひっこもり状態のミオリネを引っ張り出してくるスレッタはエエ旦那である。失敗しても進まなきゃならないというのは辛いことだけど、でもまあ横に居てやるこたァできるからな、って話。あそうか、じゃキャリバーンで失敗してもそれで終わりじゃないって意味もあるか。ともあれ、プロスペロー…プロスペラの復讐はどのレベルで成就するのか。次回以降で。

●BIRDIE WING2期・11話。さあ全英オープンだ。全米賞金女王ユーハに戦いを挑むイヴとアオイ…というか、この二人だけの世界をやらかしててユーハさんはほぼ蚊帳の外になっている。それでも「アオイの余力は危うい」「最終日まで持たない」という我々が既知のネタを提示する役目はしてくれてんですけどね。相手が弱ってんのを見極めるってだけでは役者が足りないわなあ。最終日に更なるアンダーザスリーヴがあるかどうか…多分無いだろなあ。浅川悠伊藤静キャディというこれまた豪勢なキャスティングなんだけどな。しょうがないね!

それにしてもイヴとアオイ、真正面からゴルフで楽しむ展開になかなかならない。なんなら次回の最終日でもアオイさんの体力バーは残り数ドットみたいな状況だろうしねえ。このアニメはバトルものやガンダムになぞらえられることが多いけど、すれ違いの二人っつー悲恋モノという側面もあるなこれ。

●VINLAND SAGA2期・最終話。トルフィンのアイスランド帰郷とヴィンランドへの船出まで。一区切りして新たな旅立ちとしていい感じのエピローグだったと思う。ドロット相手に百発の打擲を耐えたトルフィンをパンチ一発で吹っ飛ばすユルヴァ姉上とか、そういうしばらく無かったコメディ要素も入れて「かつてから今までのトルフィンの物語」を示すやりかたが効果的。こうして色がついてみると、アイスランドの青と白の世界は本当に「舞台が変わった」って印象が深いわな。トルフィンの決意に一番理解を示すのが母・ヘルガであるってのは確かに、この人は出自からして剣と戦いの世界だったワケだもんねえ。父トールズのあとを継ぐってのは嬉しいことだったのだろう。

総評。…うーん、あんま言うことないや。原作にあった少々のコメディ要素が薄いとかあのシーンがオミットされてるとかそういう文句も無いではないが、再構築してアニメ化するにあたってここまでやったってんならもう、十分に過ぎるプロジェクトだったわな。望むとするならこの先も、またどっしり構えてアニメ化してほしいってくらい。3期が始まるころには多分、原作の方も完結してるだろうしねえ。してるよね? 多分。てことでよろしございました。また次回!