バーディーウィング/ヴィンランドサガ

●BIRDIE WING2期・9話。二人の父のエエトコドリショットで最終日も驀進かと思いきや、その必殺技は体に大きな負担を与えるので封印せねばならない、という前置き。となるとまあ、当然ながら最後には封印解いて代償としてのバックラッシュを受けるってのがお約束ですわな。しかし最終18番ホールのティーショット、初っ端でその封印を解くってのはその後キツいのでは…ってとこで新たなヒサツ・ワザである。今までの「バースト」が虹と弾丸の融合という既存の技術の一方、ここで出てきたのはそれを越えるショット:オーバーザレインボー、と。いいねえ…相変わらず技の詳細がちっとも判んないのが少年マンガのパワーインフレ勝負みたいだ。一勝負の度にここまで消耗する問題ってのが今後のドラマのフォーカスかしらね。

そしてやっぱりイヴさん(とエースコンバットさん)以外の選手さんは全く判らない。トーナメントリーダーのジャネットさんも名前だけ、声すらありません。この割り切りの潔さよなあ。

ヴィンランド・サガ・22話。クヌート王に謁見する為に、熊殺しのドロットから100発殴られるトルフィン。一連のトルフィン譚のキモとなるエピソードで、真の戦士としていかに「戦わない」かをものすごく不器用に、力業でねじ伏せた、彼の最初の結論となる。それまでヴァイキングらしく乱暴粗野に囃し立てていた歴戦の戦争屋たちが、やがて直立不動でトルフィンの殴られっぷりを見守るに至る、その様相が厳かである。「俺に敵なんて居ない」。まずはそこから。誰にも敵はない、という道にやっと第一歩ってとこですわな。

後半はVSクヌート。4年ですっかり目の据わった「王」となりしこの傑物には、エイナルが直情で怒りの声を叩きつけても毛ほどもそよがない。…「波よ止まれ」の話にちゃんと出典があるってのは初めて知りました。まあ、その域に至ればそりゃもう、この世の覇王ではあろうなあ。しかしクヌートの言う「もっとも救い難き者(ヴァイキングども)をこそ救う」ってのは、西洋的な愛:エロースなりアガペーなりとも違う、どっか東洋的な価値観を感じる。言っちまえば悪人正機だよな。