水星の魔女/バーディーウィング/ヴィンランドサガ

●水星の魔女・19話。スレッタは落ち込み引きこもり中であるが、腹は減る。チエちゃんのおバァの言葉を借りるまでもなく、やっぱりモノ喰わんと元気もエエ判断も出てこないワケである。そこで彼女は自分が/他人がやってしまったこと、やんなきゃなんないこと、それらについての知見を得る。全ての判断が十全に行われるわけではない。正しい人ってのは居ないかもしれない。全否定・全肯定ではなく、そうしてしまった彼らを知らねばならない。まずはそこから、なのだろう。

一方のミオリネ・グエル、あとケナンジの地球側との交渉行。正面からの交渉で事態の打開を模索する彼らの行動も、プロスペラの野望に利用されるのみ。まあお母んにとっては呪っても呪い足りんレンブランの娘だし、そりゃあねえ。…わずかに見えかけた希望の光が音立てて瓦解する、その効果だけの為にいろいろ構築してくれる脚本がイヤらしわあ。まだ経験の足りない不器用なツンケンお姫様は、いくらでも曇らせていいってことですな。まだまだこっからやろしなあ。

BIRDY WING2期・8話。アムロさんとアオイさんがなんか親子イチャイチャしてた時、イヴさんは苦戦している。攻めれば罠にはまるタイトなコースに彼女がどんどんスコアを落とす一方、アイシャは無茶苦茶ムラのあるプレイながら強烈なパワープレイでねじ伏せる。このままでは下位互換として負けてしまうってとこで「さあピンチだ、だがもがいてやる」と言えるし、試合を使って理想の自分に近づけていくというムチャができんのがイヴさんではある。…このトーナメントで一緒に回ってる選手が誰かとか、そういう些末な情報は一切なしです。割り切ってんなあ。

イチナさんは割と相棒役をこなしてんだけど、まだまだ単なるお手伝い役にしかなってないのが物足りんかな。イヴさんにきっちりついてくのは大変だろうし、驚いて解説する役もこなさんならんので難しいとこだけども。あとぶちょーとアムロさんの仲を公然と応援するアオイさんが天真爛漫に過ぎる。いやまあなんも問題はないんだけど、そこはかとなくアレな雰囲気があるなあ…って思ってたこっちがダメ人間みたいじゃないすか。うんそれはそう。

ヴィンランド・サガ・21話。生と死を選別する王の御業はつまり、平和の為に死者で道を敷き詰めること。スヴェン父王はクヌートをそちらに導き、嗤う。オルマルは戦を経て心底から死に倦い、自分には笑われる勇気がなかったと吐露する。どこにも戦と死があり、それは一人の力ではどうにもならない。…トルフィンはしかし、一人の力でどうにかしようとしている。いや、一人だけではなく…わずかに在る様々な繋がりを使って。てことで、次回はアレですわなアレ。ここが最大の見せ場ですわな。

オルマルが降伏すると言った時に「ほなええわい、どけおれはやる」つって去ってったトールギル、このおっさんノルドの男としてはかなり高いとこでバランスの取れた男ではあるんだよな。ウォーモンガーで大量殺戮者だけど、死じゃなくて戦が欲しい人。ステージとセッティングがあれば主役にもなれる傑物ではある。しかし、この作品ではどうしてもカウンター側になっちゃうのはしょうがない。ま、それだけの押し出しとキャラがありゃこそってことでもあるんだけど。

●あと江戸前エルフに能登市ノ瀬がペアで出てきてとてもほっこりした。タイミング的に水星と被ったのは偶然だろうけど。特に能登さん、出自はみこたちみたいな若手ぽわぽわキャラだったのが今ではすっかりいろんな性格俳優になっちゃってんのが楽しそうにボケエルフやってて楽しそうでした。こういう役割はある意味、中堅~ヴェテラン演技者へのごほうびっぽい感じがする。声優に限らずですけども