正解するカド

正解するカド・3話。さあ対話である…って、謎の存在との会談セッティングまでで前半使ってしまうという、地味かつっストイックな作りが興味深い。どうやらザシュニナさんが人々に伝えるべきことは複雑な…つまり、入り組んでいるというよりは概念的に正しい理解が難しいことのようで、その為に段階を踏みつつネゴシエータの進藤さんの力量が必要になるという趣。こういうとき、政府側のキャラがちゃんと理解が早いとストレスが少ないな。一発で一般公開を認めた総理とか、却って現実離れしてるほどであります。

で、ザシュニナさんは宇宙の外の存在であり、持ってきたものは無限のエネルギー。一つであり二つの球体(多分高次元では一つなんだけど三次元に投影した状態では見かけ上二つ、とかそういうこったろな)の「ワム」なるものをおもうさま供給してくれるということ。もう豆電球が点いただけで「ああこれはヤバい」と判るシロモノで、これがぽんぽこあふれ出てくるシーンでかなりゾクッとしてしまった。この状況で「人よ、正解されたい」となれば…これはどうしたものかねえ! 正解はこれ何らかの意味で、今後人間と世界が概念ごとドラスティックに変質してしまう、ってあたりにいきつきそうだぞ。「幼年期の終わり」てヤツっすか。

会見前に進藤とザシュニナさんが座ってるシーンで「お前、パイプ椅子似合わないな」ということ言われてるのがすげえ間抜け面白く、しかしその上でこのユーモアがどうやらそこそこ重要なシーケンスだったりして、面白い脚本だなあと思う。あとザシュニナさんの言う「ユノクル」という概念、心とか共感とか言われてましたけど、真っ先に思い出したのはフォークト・カンプフ(ヴォイト・カンプ)テストだった。レプリカントにはムリなヴェクトルってことだな。