アリスと蔵六/リトルウィッチ/有頂天家族

アリスと蔵六・4話。さらわれてしまったサナちゃんをなんとか追っかけようとするご一統。当のサナちゃんはミニーさんに旦那の腕で押さえつけられつつ脅しの言葉を受けたりしている。…旦那を取り戻すためならなんでもやる、というミニーさんだけど、その割にはあまりストイックさや目的への冷徹さは薄くてですね、今回も押さえつけてるサナさんに割と要らん脅しを掛けたりしててなんかそういう性格の人みたい。サナへのひどい待遇を、世界の安寧と自分の目的とで論点をすり替えつつ言葉にしてたりしてね。

まあそういうちょっと「敵役として」の立ち位置を持ってる人なので、いきなり呼ばれてそこに出現してしまった蔵六の、どちらかと言えばプリミティブな反論にはあんまり有効に返答ができないワケで。もともとサナさんへの扱いに「彼女が人ならざるものだから」というエクスキューズをやっちゃった段階で、そこがどうでもよくなるともうダメでしね。それでも口喧嘩に勝った負けたは(物語の流れはともかく)この場でそれほど状況の打開にもならんしなあ…ってとこで小清水の人が乱入、次回はおねえさん同士でのバトルでしょうかしら。

自分がバケモンだと難詰されてすっかり心折れてるサナさんに、それが何やねんと一蹴する蔵六の会話シーンはなかなか。論旨や流れはまあそこそこアリネタだったのだが、演技と演出がかなり盛り上げ気味になっててそれだけでミリーさんが負けたっぽくなってんのもそれほど不自然ではないくらい。聞かせどころでしたな。

リトルウィッチアカデミア・16話。あ、言の葉の話とかフツーにロッテとスーシィに言っちゃうのか…ってそれはそうか。次の言の葉をどうしたもんかってとこで、それはアッコに足りないものが必要とされますよと予言するアーシュラ先生。いっぱいあって特定できないけどまあいいや、とりあえず予定通りロッテんちにお呼ばれに行きましょう…ってとこで早速試練に出会うという、そんな話。

みんながカビ人間化して他の誰も頼れない状況で、解毒剤の為に材料集めに回るアッコさん。結局言の葉に必要なものは「忍耐」であると判明し、確かに忍耐が必要とされるシチュエーションの試練ではあったけど、終わってみればあんまりアッコさんが忍耐してた印象が無い。いや一応雪道をわが身削って歩いてたりしてたんだけど、それ以上にイエティ相手の小ネタとかそういうのが面白くてそっちの印象が強くてさ。イエティに薬作ってもらうシーン、なんでそんな原画マンと制作のトラブルみたいな話になってんだよ! イエティもエゴサして落ち込むな! 

まあそうじゃないかなと思ったらやっぱりのうえのきみこ脚本。如実に色が出ますな! 言の葉集めという物語の根幹に関わる話もこのノリなんだからいいよなあ。すっげえ悪い顔しつつ陰謀進めてるっぽいシーンのクロワ先生に、カップラーメンすすらせてるという絵もなんかシュールで面白かった。いやそこら辺に拘泥しない無機質さという意味もあるんだろうけど、間の取りかた的にあれギャグっすよね。あと今回のシャイニーロッドの形態でカシナートの剣とか思い出した。…なんかこのロッド、パズルアクションゲームのアイテムみたいになってきたな。ゼルダみたいの。

ロッテのお母さんに篠原恵美は割と久しぶり。お父んが梅津秀行で、今期だと赤玉先生の印象が強かったのでなんとなく顔がちらついてしまった。あとふごふご言うてるだけのイエティに何故か中村大樹で、いいんかなこれ。いいんだろうな。

有頂天家族・3話。幻術師・天満屋を苦手な鬼の姿で脅したはいいものの、物騒な空気銃で脅し返されて困ったことになる矢三郎。トビドグは卑怯なりと言う矢三郎に、俺は卑怯だよマトモに戦わないのが天満屋だと返すのがなかなか胡散臭かっこいい。そんなところにいきなり(天満屋をヒールで踏みつけながら)登場して場をかっさらう弁天様である。あのめんどくさ男を苦も無くあしらい、そしてそれに充分な押し出しもある「格」の違いが如実ですなあ。

途中に矢三郎のお婆ちゃんに矢二郎が元に戻れる薬を貰いに行く話を挟み(白い毛玉状態でかなり浮世から離れつつある存在、という役どころに小山茉美の存在感がよろしい)、物語中もう一人の上位格である二代目薬師坊に引っ越し祝いを持参する矢三郎・矢四郎の話。古いビルの屋上を天狗の技で広大な敷地と化し、優雅なシチュエーションを演出しつつもエクストリームアイロンがけに勤しむ二代目。この物語の登場人物はどいつもこいつも面白いことで。

そしてそこに突っ掛けてくるのが弁天様。お互いすさまじく我が強く、またそれに見合った力量も有しているのは見てるこっち側も重々承知の上で…二代目の長椅子を勝手に奪う弁天に、それを(クロスを敷いた上で)床にすっ転がす二代目、という。そばで見てる狸どもの心中はいかばかり、ってとこだ。ED見る限りお互い確執はあるようだけど…さてねえ。いやはや、先の気になることでありますが。