残響のテロル/キャプテンアース/ジョジョ

残響のテロル・3話。警察側メインキャラ柴崎さんが前線復帰、それと同時にスピンクス二人組の新たなリドルが提示される。柴崎さんは以前「カミソリ柴崎」とまで言われた程の切れ者だったが、政治家と警察の上層部がらみの案件を追っかけすぎたせいで閑職に置かれ燻っていた身である。よーするにまあ「切れすぎたんだよ」っちうアレですわな。彼の主導により新たななぞなぞは見事解かれたのであるが、しかしスピンクスたちはもう一つ上のレイヤ…警察が核燃料強奪事件とこれを関連付けて見ていること…を知ることになる。確かに一連のなぞなぞ事件は、その根本的真意がまだ不明瞭なのだよな。お二人さんはこれで何を知り、何をやらかそうとしているのか。柴崎さんがそこら辺に気付く、物語上気付かせられるのはどのタイミングなのか。っちう感じですか。

相手の劇場型犯罪に乗っかり、自分もその舞台に乗りあがる柴崎さん。オイディプスの名前の由来から始まり、聖痕としての傷ついた足を経てアラハバキ神に繋げ、特定の神社にまで導く彼(およびスピンクスたち)の推理が話のメインである。稗田先生というか宗像教授というか、検索もせずテメエの知識だけでここまで演繹できる柴崎さんの出自が気になることで。…にしても、アラハバキが出てくると途端に超古代がどうのこうの、みたいな雰囲気が出てくるのはワシがそっち方面に汚染されすぎてるな。劇中資料にも土偶アラハバキ絵が出てくるし、しょうがないよね!

メイン筋はそっち方面として、サブ部分では人間関係の話を通底させている状況。柴崎さんの故郷のヒロシマにて地域の老人の思い出、現状の人間関係が壊滅的なのでテロリストたちに近づいてゆくリサさん、非情な行動の裏にかつて救えなかった同胞への思いがあるスピンクス二人。ネトゲを見ながら「若いもんは何だかんだで繋がりてーのな」とおっさんくせえこと言う柴崎さんの言葉が、それらをある程度包括してんだろな。まあその、作品としての主題はそういうので充分オッケーだけど、シリーズ通しての表面的な盛り上がりというかクライマックスはハデでキャッチーな大アクションだといいんだけどなあ。主にワシ的に。

割と些末時ですが、監視カメラに映ったメガネさんが警察退出時にやったらとゆっくり歩いてんのがちょっと面白かった。これは意図的に行動してんですよという、意図的な演出ですよね。コンテ段階で「妙にゆっくり歩くこと」とか指示してあんのが見えるようだ。

キャプテン・アース・17話。ソルティドッグよりの新たな監察官が赴任してきてイヤミなこと言うて結局面目を潰す話。前任者のメガネさんもそうだけど、この作品っていやな人は組織的にいやな属性を持ってんのかって感じですな。キャプテンたち4名を適当にバカにした上で鼻高々に最新鋭無人メカを展開、あっという間に敵に奪われて「お前らカマセ犬どころか害悪やんけ!」という念の入ったダメっぷりはいっそ清々しい。ま、本命のハナさん強奪は次回に持ち越しのようでありますが。

遊星歯車さんたちは2機による攻撃を遂行、しかしこれも退けられたので次は総力戦だ! というそんな状況。戦力の分散投入はバカのやることだ云々はヤボな話で、そんなもん個性的な各キャラメインの話をまず見せたいじゃんね。とまれ、向こうさんの問題は親玉のセイレーン様がどうも地球側の影響を受け気味であるということだろうか。定命の者が進化すると刹那的でダメだ、というのが彼らの主張であるが、まァお話的にはそれをひっくり返す我らがキャプテン、っちう流れやろな。「どの物語でも永遠の命がワルモノ扱いされてんのって信じられねーよなー」ってなコンセプトのSFって何だっけ。イーガンの短編にあったっけ。まいいや。

軌道上基地にてすんげえ贅沢にも水着リゾートやらかしてる女性陣どもの、どいつもこいつも豊満な肢体が冒頭の眼福でよろしかったですが、アレってやっぱ宇宙だし重力無いしちち立派になるよね、っちうとてもSFっぽい理由なんだろうか。どうだろうか。まあハナさんはもとからあれなので、そんなリクツ通用しないんですけどね。じゃいいや。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・17話。史上最弱が最も恐ろしいラヴァーズさん、その決着。あいっかわらずというか何というか、一行をやっつけるという最優先目的をすっかり忘れて承太郎イジメに精を出す、出し過ぎるダン兄さんの小物悪役ぶりが光り輝いている。荒木先生はまず「描きたいこと」があってそれ以外への頓着がかなり薄いタイプであり、普通はそういうのって単に不備のある話にしかならないんだけど、先生の場合はそのアンバランスさが一種の「異形の魅力」になってんのよね。今回の場合はとにかく「どうしようもないゲス男と叩きのめす」という絵、これこそが最優先、ってワケだ。

原作においても延々と描かれたダンへのオラオララッシュであるが、それにふさわしいタメと積み重ねのおかげで結構なカタルシスがあったりする。いや実際、もっともっと尺取ってオラオラシーンを描いてくれてもよかったのよ? って気分ですわな。ま、一応は少年誌連載作品だし、そうそうエグい描写にもできんやろけどね。

一方のダンさん側、ジョセフの脳内で花京院たちを圧倒している辺りでの躁的な台詞回しはノリノリでよろしい。最も最も最も最もの連続台詞の狂騒具合がいいねえ。なぜ踊る! マギーじゃありません。あと遠隔背中掻かれ中のジョセフさんのうおううおう言うてる声は…あれ、その手の趣味した人にはまたこれたまらん魅力であったのでは。いやワシはよう判らんですけど。