ワタモテ

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!・12話。文化祭期間開始。まずはその準備、楽しげで明るい雰囲気はもこっちさんを憂鬱にさせるに充分である。そんなリア充的世界に呪詛を吐き散らしかけては呑み込みつつ、しかし些細なことでもその世界と関わりたいという強い志向性は捨てられない、というアンビバレンツ。なんかそのアレだ、善きものを見上げている白面の者みたいやな。ナンデワレハアアジャナイ…?

んでもってその文化祭との関わり方ってのが、「手伝ってる仕事をいかにして長引かせるか」というみみっちさ。アンタは窓際のお荷物社員か! いや判るけどねなんとなく。

後半は文化祭当日。何故か目をかけてくれてる実行委員長、いっしょに遊んでくれるゆうちゃん。ここでもこっちさんが思うことは「あれ…? 楽しい…?」である。フツーの人なら何でもなく享受できるその楽しさは、もこっちさん自らが進んで背を向けてきたものだ。それは本当に自分が望んでいたことだろうか、どこまでが「お前らが悪い」ことなのだろうか、それは判らない。とりあえずはちょっとエエ話で終えることができたけども、これで劇的にもこっちさんが変化するというこたァないんだろうな。何度も言うてるけど、物語の主題と構造に規定されたキャラの特性ってのはこういう時に物悲しさを覚えるねェ。うん、まあ。

優しさの国から優しさを広めに来たようなイインチョさんに野中藍。独特のファニーボイスは、シリーズ後半に登場してきても決して存在感が埋もれないという稀有な個性である。ちうか、頼れる先輩なのにこのかわいったらしいお声ってのがなんか、エエよね。