銀の匙

銀の匙・3話。ミカゲさんとの(お邪魔虫付き)デートと八軒さんの「豚丼」について。生まれた直後の生存競争で落ちこぼれてしまい、またその負け犬(豚だけど)位置から動こうとしない子豚さんに、何がしか自分自身を重ねてしまう八軒さんの姿からスタート。豚さん、かわいよね。でも…。

順位に拘泥するのに努力も認めてほしいと思い、その上中長期的な目標意識もないという「薄っぺらさ」に自覚があるからこその感情移入でしょうけども、うん…自覚があるってだけでもエライよね。しかしやがて屠殺され食肉となる子豚に入れ込み過ぎてもヤバいってんで、あえて「豚丼」という名前を付けるに至るのだが。この辺なんとなく、未来少年コナンの「うまそう」を思い出したりした。うまそうちゃんは結局喰われることは無かったんでしたっけか。どうだっけか。

さて、ミカゲさんとのデートもどきの舞台は競馬場。ばんえい競馬のシーンは画面構成のパワーもあってなかなかの迫力。そしてそこで聞かされる獣医の資質とは「動物を殺せるか否か」ってことであり、上記の豚丼ちゃんの話ともつながっている。農業高校、酪農に牧畜。生命と向き合う生活ってのは畢竟死と向き合うということでもある。「馬の気持ちなんかそうそう判んねェよ」というギャグのような言葉が、最後にズシリと重みをもって繰り返される構成が上手い。ふむ、まだまだ話は序盤ではあるが、興味深い方向に向かいつつあるので何やらよろし。もっと泥臭くてもいいくらいですよ。ノイタミナっぽさからは離れてしまうかもしれんけど。