銀の匙

銀の匙・4話。ふと漏らした言葉によりあれよあれよでピザ作りプロジェクトをお任せされてしまう八軒さんである。苦労もするししんどくもあるが、みんなでパワーリソース持ち寄ってなんかヤるってのはやっぱ楽しいよね、という。「ピザ一つ作るためにこれだけの準備・材料・手間・人間が介在すんですよ」という話の構造的に教養番組っぽい雰囲気を感じる。教条的な説教くささを極力廃し、八軒と仲間たちの「やったことない仕事がどんどん進む新鮮さ」をメインエンジンにして進ませるという演出方針もよろしい。うん、カッチリ出来上がったエエ話でしたよな。

冒頭で各分野全てに高い点数を取りつつ、しかしそれぞれで一番になれない八軒さんというネタ。これってまず座学ガリベン野郎という意味もあるだろうけど…そうねえ、本編のことも考えると、スペシャリストに対するジェネラリストという八軒さんのキャラ特性の意味もあるんだろうかなあ。お人よしだが総合的にものを考えられるという能力の萌芽があり、ミカゲさんの言うとおりやがて彼の元に人が集まってくるような展開になってゆくのかもしれん。…現実のハナシならこのままフツーに大企業に就職したりベンチャー興したりして「いやああの時の体験は今でも生きてますよ」とかそういう方向に行ったりしそうですな。ゲヘヘ。

…田舎にはピザ宅配なんて縁がねーんだよ、っちうのがモチベーションになってんのは笑いつつ、昔田舎住まいだったワシもいろいろ思い当たることあったりしてね。どうだろうなあ、旧ばあちゃんちはもうケータイ電波の圏内には入ってるだろうかなあ。あと「戦車はトラクターメーカが造った」っちう西川さんの話聞いてパッと思いついたのがクルップとかヘンシェルとかMANとか、WWIIドイツばっかだった。別にドイツ戦車にそこまで強烈な嗜好も無いと思うんだけど、メーカのイメージとなるとその辺になってしまうなあワシ。んであと、仏様先生の素晴らしい俗っぽさぶりに割と感心した。あの顔であの声であの立ち居振る舞いでギャンブル中毒の施設私物化男か…。いや、そういう俗世間の塵芥を知ることも人間には必要なことなのです…。