銀の匙

銀の匙・7話。八軒さんはいまだミカゲさんとこの農場でお手伝いしている。ほなちょっと気分転換に行こか、ってとこでお邪魔したのがタマコさんとこの巨大酪農施設・ギガファームでして…とまあ、相変わらずようできたドキュメンタリ教育番組みたいなアニメではある。欧米的な効率化と巨大化を推し進めたその手法に圧倒されつつ、だからといって全く人間味が無いとも言えないその様子を見て発見は考え込む。答えは難しい、悩んでゆくことが大事だと言われる八軒さん。そうね、難しい問題がそこにあるというより、人間が好き好んで難しい状況に自らを持ってっちゃったってことでもあらァね。口幅ったいことを言えば、進化によって手に入れた大脳新皮質とそっから下の脳幹部分とのすり合わせの難しさ、でもありましょうか。違うでしょうか。まいいや。

思いがけず子牛の出産にも立会い、とても素直かつ即物的に「グロい」と言ってしまう八軒さんはまあしょうがない。そういうのも上記の難しさの発露でしょうしなあ。ここでも子牛に名前(つっても「牛丼」ですが)付けちゃったり、ギガファームとそれ以外の農場の差異について考え込んだり、ミカゲさんの家庭の事情につい言及してみたり、こういう「モヤモヤしたことを放置できない」積極性が彼の特徴でもある。エエトコでもあり、メンドクサイとこでもあり。その辺を指してミカゲさんは「馬みたいだね」と、繊細で人を気にする馬のような男だと表現する。八軒さんって、根っこんところにそういう純粋さを持っている、っちうことだわな。

…馬のようだという言葉を受けて、「あらまあ!」という感想が出てくるタマコ母さんがなかなか…その、ソコハカとないえろっちさがあってよろしかったです。ていうか持って行き方が上手けりゃこんな一言でちゃんと、そういう意図が出せるのだなあ。あらまあ。