ジョジョ/宇宙兄弟

ジョジョの奇妙な冒険・17話。やあ、一話たっぷり取ってのvsエシディシ戦ですな。戦闘バカのワムウと対照的に、ジョジョのお株を奪うようなトリッキーで予測の付かないキャラ性はこの人(?)の大きな魅力である。まその、カーズさんも良く言えば重層的、悪く言うならラストに向けてなんかキャラの定まらんお人ではあるんだけどね。ラスボスとしていろんな方面から攻撃を繰り出さんならんからしょうがないってとこもあんだけど。

それに乗っかってくる藤原啓治の演技も大概な迫力ではある。予告で使ってた「ああんまりだあああ」はもう期待通りの押し出しだし、その直後のいきなり落ち着く絵面もよろしい。断末魔の延々たる叫び声は「さすがプロやなあ」っちうか、大変やであれ。大熱演ですわなあ。

相変わらず「ホンマに上手くいくんかいな」ってな感じのジョセフのロープトリックは、この第二部のギミック主導な雰囲気が出てていいよね。てかワシ、この辺のバトルって二部の中でもかなり上位で好きですわ。…あとエシディシさん、落ち着きシーンで「スッキリ」の書き文字がスイーっと飛んでくのは卑怯だと思う。あれはスゲエ。

宇宙兄弟・43話。ヒビトとブライアンについていくつかのこと。月面上で酸素がなくなりつつあるヒビトの脳裏に去来するブライアンは、飄々とした頼れる兄ちゃんである。ヒビトが困ってたらいつも「助けに来てやったぞお」とお節介に来る陽気なおっさん。さて、今まさにこの世とおさらばしようとしていたヒビトさんの前にやってくる「ブライアン」とは…っちうね。ああ、やっぱそりゃね、アズマさんが仕込んでた酸素供給ドローンのブライアンがそのまんまのハズはないだろうな、とは思ってましたよ。

月面に置かれたブライアンの人形。兄弟でこの荒涼たる地を踏もうとしていた彼の思いから、幻のブライアンがドローンを引き連れて歩いてくる辺りまでの流れは美しい。かンなり余裕と間合いの大きな演出だけど、大きなドラマチックさが盛り込まれたエピソードだから妥当ではあるな。…酸素欠乏シーンだとやっぱりプラネテスを思い出すけど、アッチの凄まじい絶望具合には流石に及ばないですかね。ま、日曜朝からそないガッツリとダウナードラマ見せるわけにもいかんでしょうけれど。

あと今回はブライアン役の大塚明夫の存在感演技もデカかったわな。確かにこのおっさんなら何とかしてくれるかもしれん、と思わせられるほどの信頼感と大物っぽさがあった。いいキャスティングやよね。