サイコパス

PSYCHO-PASS・14話。繁華街の衆人環視にて人を撲殺、にぎやかな店内で人を刺殺、されど市民はそんなことになんらのアクションも起こさない。とまあ、白昼堂々の凶悪犯罪に振り回されるご一統である。シビュラシステム・犯罪係数オンリーの社会構造は、機械的システムだけではなく人心の隅々にまで浸透している、ってことだ。

この辺、事件があっても「何? TVの撮影?」とか思ったり、人身事故の現場で助けるでもなくケータイかざしてるだけだったり、という現代社会の典型的問題描写の延長線上なんだろうけど…流石にちょっとムリがあるかなあとか思った。未来社会ネタとしてはよくあるネタなんだが、何故だろうね。あるいは今までの本作の社会描写が、そこまで全体主義的で均質な統制を描いておらず、割とゆるっちい雰囲気だったからかもしれない。

さて。ここに及んで、事件に反応を示さない一般市民(善良なる人々)と、違和感を表明する執行官(犯罪予備者)の二者は、ワシら現代人の感覚での健全性において逆転が起こっていることが判るワケだ。今はマキシマさんも単発的な謎犯罪を唆してるに留まっているが、これから後の本番ステージにてこの辺の矛盾を広げてくるのでしょうか。怖や怖や。

にしても、何か事件が発生しても市民による通報が機能しないってのは、なかなかしんどいものがあるな。そんだけ機械的な情報収集インフラが充実してるってことだろうけど、こんなん見たらサイコパスの関わらない事案…マキシマさんみたいな特殊例に限らず、単なる緊急避難や突発事故への対応もダダ遅れになるんじゃねーかなって気がせんでもない。

もうかなり本筋から外れちゃう感想だが、今回の「犯罪係数偽装によるドミネータ使用不能」という状況もそうなんだけど、もうちょっと冗長性のあるシステムを構築した方がエエのではとは思うよね。例えば執行官がアカンなら、せめて管理官くらいはフツーの拳銃を携行すべきなんじゃなかろか。攻殻じゃないが、一点突破のシステムって脆弱よ? 市民に完璧だと「思わせる」こととはまた別としてさ。まあその辺含めて、何らかのグレーな思惑が働いているのかもしれませんが。