●PSYCHO-PASS・20話。シビュラに誘われたアカネさんはシステムを破壊・あるいは公表してダイナシにすることはできない。個人的な嫌悪感はともかくも彼女は社会の崩壊を望んでいないからだ。交換条件としてコーガミさんの生存を挙げつつ、アカネさんはとりあえず再度の捜査に戻る…とここまではシビュラの思惑通りだが、その先ははなはだ不透明と言える。そしてマキシマさんはめっちゃエエ笑顔で穀物全滅ウィルスを手に入れようと旅するのでした…というお話。
シビュラの懐柔を受け入れるにあたり、アカネさんは動揺しつつも考える。マキシマさんの個々人の人間性に基づいたアナーキズムとシビュラの全体の安寧を考えた管理社会。どっちも極端であり、多分アカネさんは（係数が曇りにくいという属性どおり）ある程度の中庸を目指して動いてゆくのだろう。ま、最後の最後でスネーク・プリスキン的に盛大なるちゃぶ台返しをやっちゃうのもおもろそうだ。今んところの覚悟決まっちゃったアカネさんの有能ぶりみると、どういう結末に向かってもおかしかないような気がするしね。
個人的には「人生や倫理の悩みを専門的存在にアウトソーシング」っちうやりかたも、進化の戦略として結構面白いとは思います。もちろんシビュラさんのようにガッチガチのブラックボックスにしちゃうってのは（主にそれを打ち倒す英雄／悪漢が出てくるだろうっていう物語的意味で）悪手だと思うけどね。もうちょっとその、時流に流されるアソビを作りつつナアナアな感じで…ってそれじゃ今の社会とあんま変わらんか。
あと何だ、「外れ者を管理側に取り込むことで社会そのものの安寧を維持する」っちうメカニズムが上手くいくかどーかやね。この辺もちょろちょろっと架空の心理／社会学をでっち上げればアリなギミックだけど、その辺を簡潔な娯楽として提示するのは小説のほうが得意だろうな。アニメとしてはまあ、そこまで踏み込んだネタも要らんか。
