ヨルムンガンド/サイコパス/ロボティクス

ヨルムンガンド PERFECT ORDER・6話。トージョの古巣、ヒノキさん率いるSR班とのバトル・後編。あれやこれやしつつ何とか彼らを排除したHCLIのご一統であるが、首魁のヒノさんは何故か「作戦は成功」と言う。班の全てを見捨てた裏切り者なのか。同じく裏切り者呼ばわりを受けるトージョさんは、複雑な感情を持って以前の上司と再会する…というね。

ふうむ、なるほどねえ。キャスパーの言うたとおり、変質してしまった組織の面々に対し、ヒノさんはある種の「死に場所」を与えてやった、っちうことか。見ようによっちゃすさまじく無慈悲な行いであって「何笑い合ってちょっとエエ話で終わらせてんだ」ってとこだけど、終わってみると何故かヒノさんの側に視点と面白さとを共有しちゃってんだよな。トージョさんという「後を濁す鳥」は、ヒノさんにとって場をチャラにするよいキッカケではあったのだろうな。

銃器満載のプロがドンパチやるという行為の風景がワシらよう知ってる日本である、そんな妙な異化効果によって「ああ、話通じて見慣れてたけどコイツらは非日常の国の人なんだな」と再認識させられたり。あとそうねえ…血ィ流してる撃ち合い見てなんかのイヴェントか? とか言ってる群衆とか、同調圧力によって均質に変化してったSR班とか、全体的に「日本」っぽいお話ではありましたか。

バトルクライマックスの「トンネル抜けたらガンシップ」というあの絵面、レームたち並んでる面々のご様子も相俟ってすっげえコワイ。こらひとたまりも無いわなあ、って感じですわ。…あと、うみほたるンとこに居てた観光客のお母さんがもんのすごく「エエちち」してたので何かあるのかコイツに! と思ったら何も無かった。何だあの気合入ったおっぱい絵!

PSYCHO-PASS・5話。承前、ネット上アバター乗っ取り事件の更なる展開。今までに乗っ取られたと判明しているアバターへのアクセスログを調べ、乗っ取りがあった日付後に急激なアクセス回数の減少を見せているアカウントが犯人だ…という推論、今回のネタ骨子はなかなかようできてて面白い。執行官がそのことにアッサリと気付くのは「同じ犯罪者だから」であり、監視官はそうならなくてもよい、というかそうなるべきではないという構造。それを踏まえた上で、ギノザさんの過去のバディがコーガミさんであり、彼は監視官から堕ちて執行官となった者である、ってなラストの流れも上手い。どうやらこの編のアレコレがこの作品の根幹ネタになりそうでんな。

下手人が人気アバターを殺して成り代わっていたその理由、また彼にそうさせていた黒幕の理由はまだ判らない。が、ネット上(に限らないのかもしれないが)アイドルってものの本質はファンや視聴者からの要請/希望に沿っていればそれが正解である、という図と地の錯覚みたいなリクツがおもろかったので今んとこはいいや。…にしても、背後の捜査やら事情聴取やらナシで犯人をいきなり殺しちゃってエかったのだろうか。先週も思ったけど、この人たちはホンマに「目先の犯人を排除する」というその一点だけがお仕事なのかしらねえ。

依存していたアバターを操られて自我を失いかけ、執行官に処分されるまで辺りの一連の作画がドラッギーで目を引いたけど、アレはやっぱスタッフに出てた宮沢康紀のお仕事かしら。通常パートが割とカッチリした絵だけに、こういうタッチは効果が高いなあ。

ロボティクス・ノーツ・5話。拡張現実デバイスに映るなぞの少女の巻。今回はほぼその電脳スリラーっぽいネタを追っかけることで構成されているのみのお話で、ネタが絞られてる分だけまとまりが良くておもろかったな。一応「NASA太陽嵐による破滅の未来を隠蔽している」とか「君島レポートなるものに妙に反応するコンビニ姐さん」とかのヒキ要素もあったけれど、今回のお話の流れとしてはまあ副次的要素だな。先々はこれらの方が重要になるのかもしれないけれども。

てことでえー、都市伝説好きの大徳さんの助言を受けつつレーダ塔にまで来たら見つかった電脳幽霊さんである。どうやら医療用のインターフェイスAIということのようだが、単なるAIにしてはヤケに積極性があったり会話に柔軟性がありすぎたり、どうも超絶技術の賜物のような気がするがよく判らない。何より、主人公をお兄ちゃん呼ばわりするロリリボン外見の釘宮電脳少女という、どっからどうツッコんでいいか困るようなシロモノであるしなあ。ワシが主人公なら電子的ハニートラップを疑っているところだ。うんうん。

ロシアのブザー音とか接続時のピーヒョロ音とか、細かいネタが絶妙に狙い気味でなんか面白い。この辺のネタの取捨選択は確かにシュタゲと似ているなという気がする。にしてもJAXAに続いてNASAも実際そのまんまの組織名なのね。今回は陰謀論的に糾弾されてる文章だったけど、エエんかいな。あと何だ、大徳さんとの都市伝説デートに焼き餅焼いてんだか何なんだか、自分でもよう判ってないようなアキちゃんの風情が妙に可愛かったですよ。何だあの突然乙女ぶり。