夢の航海と後悔

うたた寝をしていて夢を見る。小学時代の風景を舞台として大学時代の道具立てが存在するという、純粋にノスタルジーだけで構成されたような夢。ヤバい、これは非常にヤバい。実際目覚めたとき、その夢が霧消してしまうのを防ごうとして腕をバタバタと動かしていたような記憶がある。なんかこう、拡散してゆくガス状のものをこっちに寄せ集めるような動き。

自分の知らぬ間に新しい名を「襲名」していた先輩のパーティだの、ウチから少し行ったところにあるよろず屋だの、実際には書かれることの無かった自分の原稿だの。夢に出てきた要素を並べ立てるだけでもう、かなりキツいものがある。それは失ってしまった記憶と経験にまつわるものであるから当然のことなのだが、こうまで寄せ集まって一斉に襲い掛かってくるこたないじゃないの。

…現在の状態と将来の展望が充実しているならば、この手の夢は見ないものだと聞く。それらに不安や不満があるからこそ「良かった時代」が変形して夢の中に出現するのだと。だとしたらなんとまあ、残酷なこっちゃないか。余計に落ち込ませてどうすんだ。これから年を経てジジイになるにつれ、こういう夢も増えてゆくのだろうなあ。