古い百科事典

●実家に帰ったときは大概一階のあまり使われていない洋間で寝る。二階の元ワシの部屋はもうお母はんの物入れのようになってて狭っくるしいからだ。その洋間にはいかにも「客にインテリアとして見てもらうためですよー」ってな堂々とした本棚があり、その本棚を中古で買った時にいっしょにくっついてきた百科事典セットが入っている。これまた並んでる背表紙を客に見せるためのものであり、実際に事典として役立てるにはもう古臭過ぎるのだが、読んで楽しむ分には全く問題ない。…ええとね、奥付を見るとね、「講談社 現代世界百科大事典 Encyclopedia world now」とある。発行が1971年だからもう40年以上前のものだ。

東京の風景。全体的にひらべったく、今見るとどっかの地方都市みたい。

ファッション。かっこいい。

…なんつーか、明治大正までのような、現代からは明らかに時代や文化的コンテキストにギャップがあるほどの昔ではない、この辺の時代の文章や書籍や写真って独特のおもろさがあるなあ。書籍ってのは作成したその瞬間からどんどん古くなってゆくのが困りどころではあろうが、でもスナップショットのように状況を固定して記憶するというポジティブな見方もできる。それが百科事典のような網羅的な規模のものであればなおさらっすな。