氷菓/もやしもん/夏雪ランデブー

氷菓・13話。カンヤ祭騒動その続き、初日終了までのお話。里志さんはクイズ大会に出て好き勝手やってるようで一応宣伝はしっかりとこなし、ちたんださんの活動は相変わらず空回り中であり、マヤカさんは漫研内にて孤立の度合いを高めつつあり、んでもって奉太郎さんは平和に店番しつつちたんださんのコスプレ写真を眺める毎日である。ふむふむ…同じフィールドにて同時並行する各人のドラマという構造はやっぱおもろいね。制作する方は大変だろうが、それだけにイロイロと仕込み甲斐もあるでしょうなあ。

それにしてもマヤカさんであるわな。他の皆さんは一応それなりに楽しんでいるのに、彼女だけは見てる方の胃が痛くなりそうな部内対立の矢面に立たされている状態。お互いの言い分も判るけれど、先輩という立場から後輩の主張を「必要のないもの」と切り捨てるヤリクチはやっぱし手荒いよねえ。マヤカさんはそういうとこ、黙ってられない損な性分、ってとこか。…そんなケンツクを横目に見つつ、対外的な宣伝の一環にしちゃう部長さんは大物というかノーデリカシーというか…うん。

ミステリ的な趣向もなにやら底の方でじわじわと進みつつあるようで。先週のジュースに始まり、運命のタロットカードだの碁石だのがちまちまと無くなっていってるという、地味ィなネタですけれどもこの作品らしいミステリですな。あと奉太郎さんのわらしべ物々交換クエストはどこまでいくのやら。件のミステリと交差したりするのかしらね。

もやしもんリターンズ・2話。タダヤスと葉月さんは謎の「穴」について探るのである。それこそ「あの穴って何ですかー」とか聞いてしまえばエエ(はぐらかされても何かかんかのトッカカリにはなろう)と思うのだが、割と我が強くて独立独歩型の葉月さんはそーゆーのは嫌いそうではありますよね。てことで、彼ら二人の探索行の合間々々に、味噌の秘密だのバイオ燃料の限界だの酢の製法と歴史だの、かもし方面のお勉強を挿入してきつつ進めるお話。…なんかこう、前期よりも更に知識まんがっぽい雰囲気が増大しているような気がするなあ。前期もこんな感じだっけ? いや、実に面白ェから今んとこ別に構わないんすけどね。

途中のどーしよーもない野郎大学生どもの暴走(と自滅)ネタはこの作品らしいバカっちさでよし。何とは言わんが探せェ! はいいけど、それは本当に女子たちの「何か」だったのでしょうか。まいいや。あと今回は樹教授の底知れなさをもわもわと感じさせる回でもあったな。何もかも知っていてその上で生徒たちを泳がせておき、最終的に(主に自分にとって)エエ方に導く手腕はこの人の身上ではあろう。西村知道のもさっとした演技がよろしい。

…そういやこの作品もそうだけど、次の夏雪にも大原さやかさん出てたっけな。まあ制作時期的に大丈夫だとは思うけれど…。

夏雪ランデブー・2話。亮介さんの告白より一週間、お互いちょいと間合いがつかめないまま過ごしてきたがここで一発突進する亮介さんである。花屋に居たんじゃダンナに邪魔されるってんで食事に連れ出し、割とエエ雰囲気になったので一歩前進と思いきや、またもや相手の陣地に戻ってきてしまったのが敗因の一つ。まんまとダンナの策に乗せられて出鼻をくじかれ、さてこれで仕切りなおしだなあ…ってとこで思わぬアクシデント、っちうね。

風邪引いて倒れたロッカさんを救うため、あれだけツンケンしていた亮介さんに頼らざるを得ないダンナのアツシさん。相手をすり抜けてしまう無力なダンナの手と、ロッカさんを抱き上げている亮介さんの手。心情を語り展開を導くお互いの「手」の演技と演出が素晴らしい。ダンナがロッカさんに付きまとっているの一般的には「とり憑いている」という状況だろうが、成仏もせずこの状態がずっと続いているのはとりもなおさず彼の「無力さ」、何も出来ないことが大きな理由でもあろう。…今回のイヴェントでいきなり野郎二人の交流が深まるとは思わないが、それでも…愛妻に働きかけることのできないというダンナのステータスは多少なりとも揺らぐことにはなる。

てェか、「一緒に居て欲しい」というロッカさんの言葉がダンナを縛っている、という見方も出来るのだよな。ふうむ。

二人で歩きながら「このまま行ってセックスすんのかな、現金なもので」とか思ったり、帰ってきて微妙に心が高揚している風情が見えたり、ロッカさんが大人かわいくてよろしいな。バラしてしまえば恋愛モノのテンプレにもなるんだろうけど、そんな状況を指して「いいトシして行ったり来たりかー」と落ち込んでたり、案外こういう感想が自然なのかもしれん。いやワシは経験値無くて判らんですけどね!