ラグランジェ/峰不二子/人類は衰退しました

輪廻のラグランジェ season2・2話。お互いの立場のギャップから、どうしても戦いを避けることはできないランとムギナミのお二人である。組織と個人、外と内、背負っている存在と背負う自分。その不整合に悩むってことが悲劇なのよねえ…というまあ、そんな事情について一切聞く耳持たねェのが我らのまどか。んなもん知るか、多分どーにかうまくいくに決まってるぜ! …うん、要するにありていに言って「バカ」なんですな。

複雑な問題を提示しておいて主人公のバカ加減で覆いつくす。ある意味、典型的な少年漫画的主人公ではあるよな。「女性の友達を強制的にちゅーさせる」というムチャな仲直り行動の発露にしても、野郎漫画で言うところの「お前ら一発ずつぶん殴れ! それでチャラだ」という例のアレに当るのかもしれない。相変わらず最後にヘボかますぶきっちょランちゃんが一番萌えるのですけれど、それはともかく。

そして別の意味でバカチンな野郎三人組。こいつらの悪意のなさは見ていて清々しいのだが、それだけに再度上記のめんどくさい荷物を背負うことになった暁には心乱れるだろうな。あるいは前シーズン初期の如く、割り切って闘いに実を投じるのだろうか。あーあと、今回も田所司令はツッコみっぱなしで心労がうかがえることだ。「(まどかが)通過しました」「…は?」のニュアンスとか、完璧やで。

LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜・3話。先週が次元で今回は五右衛門ですか。まだ駆け出しの裏稼業者としてお家騒動の暗殺を引き受けるサムラーイ男であるが、子供とか女とかじいさんとかもう、どうにもコロシのやりにくいシチュエーションばっかしで困りますよ、というお話。

ヒルで冷徹なバージョンじゃなくて、少々青臭いとこのある五右衛門さん、っちうわけやね。不二子さんのごく初歩的な色仕掛けにくらっと来たりと少々コメディっ気もある御仁だが、それでいて剣の腕は確かであり、かっこよくキメるところではちゃんとキメる、と。「可憐だ」「つまらぬものを斬った」という宮崎ルパンからの台詞と、「不二子ちゃん」「がーるふれんど」というおおすみルパンに繋がるネタの双方を盛り込んでんのは面白い。

今回の不二子ちゃんは真面目で明るい家庭教師のお姉さん。最終的にはすっぱだかで挑発的なことやっちゃったりもするし、一応蓮っ葉な態度も取るんだけど、ああいうどこか人情味のあるキャラも彼女の一部ではあるんでしょうな。一連の話を通じ、不二子さんの様々な側面を描いてゆくのがこのシリーズの眼目の一つ、なのかもしれない。

人類は衰退しました・3話。主人公の悪友・Y氏の登場。シュッとした見た目でボーイッシュな態度の沢城声娘さんであるが、このお嬢さんがロストテクノロジーにしてロストカルチャーであるところのBLマンガを発掘してきたのが騒動の発端。御自らのめりこんでったY氏と腐り気味のお嬢さんの大群は、どこかで見たような風景を開陳し始めるのであり…というね。

「別の世界/時代にて既定の歴史のカリカチュアのような状況を繰り広げる」ってのはSFの定番ネタの一つでしょうか。フォワード「竜の卵」のチーラたち…というよりは筒井の「虚航船団」のネズミどもを思い出したりして。いやワシそれほど集合的オタBL文化には詳しくないので、どこまでがどのようなネタなのかは識者にお任せしますけれども。とにかくまあ、割とメルヘンちっくな風景であまり活性的でない人たちの中に、こういう生々しくて濃いィネタを配置することのギャップが萌えなのでしょうなあ。萌え? 知らんけど。とまれ見てて笑ってしまったのでワシの負けである。ちうかY氏、うざってーないろいろと!

とまあここまでの狂乱をして前フリってのもなかなかすごいわよね。妖精さんがワザして更に世界がすっ飛んでゆくのが次週以降、ですか。…確かにまあ、楽しけりゃオッケーという気質の妖精さんたちが介入してくるのは避けられないことではあったのですな。マンガの中に入り込むってのもアリネタではあるが、この世界観で一体どんなおもしろ…大変な目に遭うのか、実に楽しみではあります。ええ。