謎の彼女/アクエリオン/ちはやふる

謎の彼女X・10話。椿さんにとって更なる「謎の彼女」の出現。ショートカットでかわいったらしい、丘さんとはまた別のタイプの小悪魔お嬢さん・早川さんである。はて誰だっけ、と思ったらああ…今までチラチラ出てきてた片思い対象のお嬢さんか。んでまあ、この人は何がエエのか、椿さんをとことん翻弄するのである。椿さんが自分が好きなことを知っていた、今は失恋したばかりである、また私と会って話してくれる? と。うふふふ、これは手ごわい。ワシら塵芥のような野郎などイチコロである。

それを鑑みても椿さん、今回は流石にデレデレしすぎやおまへんか! 最後の最後でようやっと早川さんの唾液を舐めることを思いとどまったのは奇跡に近い。結局卜部さんのフルネームも教えちゃってるし、なんつーかもう…弱い、弱いなあんた! そういう弱っちいところが見てるこっちの弱さとシンクロして悶えちゃうんだよ! まあ今回は相手が(パワーも変態度も)強すぎたってのはあるでしょうけどね。

文化祭においでと卜部さんを誘う早川さんのシーン、これはなかなか怖い。あくまで自分のペースで笑顔の言葉をぶつけてくる早川さん、機先を制しつつ平静に受け止める卜部さん。二人の攻撃方法というか、会話で相手より優位に立とうとする戦術の差が面白かった。そのあと、あれこれあって珍しく動揺してる卜部さんもかわいくてよし。…にしてもあの、星の目女学院ですか? なんであんな禍々しい校章デザインなんですかね? ほぼエルダーサインだよあれ。

アクエリオンEVOL・24話。イズモさんはアマタのお父んであり、アリシアさんはお母んである。自分を棄てた両親に一言ツッカケたらな気が済まんと思うアマタさんであるが、イザ出会って話すとなるとまたそれは別の感情が沸き出でる。とか何とか思う間もなく両親二人とも一気にお亡くなりになってしまい、「まあいろいろあったけどあとは任せたヨ」と空に顔状態で去って行く両親をただただ見送るだけのアマタさんでした…というまあ、そんなお話。ちなみに二人を殺したのはミカゲさん(に操られたゼシカさん)である。…うん、ホンマ、ミカゲさんは悪役的ヘイトを一身に請け負っておいでですな。とても判りやすい。「俺を倒せば精神的には全て解決だヨ!」というモチベーションのソースとなるってワケですな。

登場人物が多く、また彼らの感情の方向や立ち位置も各々で多彩なので、話がちょいと錯綜気味になっちゃった印象がある。マスとして混乱した人々を見せるという意図かもしれないが、そうなると各人の悲嘆や怒りなどの強い感情が平均化され、薄まってしまうデメリットはちと惜しいか。多分メインは上記アマタさんの悲劇なんだろうけど、他の要素が多すぎて埋もれ気味だったしねえ。

それにしても。男にされて「脳が痛ェよォ」状態のMIX、ラスボスに乗っ取られて悪行三昧のゼシカ、前回までに何か会得したような雰囲気はどこへやらで状況に振り回されっぱなしのミコノ…とまあ、女性陣の受難が激しうございますなあ。まあそれ言うと、ジンくんやシュレードさんは死んじゃってんですけどね。いやどっちも何らかの方法で再登場しそうでもあるが。

ちはやふる・23話。大会後半のあれこれについてと、その後の日常いくつか。主人公の勝負についてはもう決している状況なんだけど、それでも視聴する上での興味を殺がない牽引ぶりは上手いものだなあ。千早をはじめ、ヒロシさんや新の相手のお子さんなど、「負けること」への厳しさと温かさを併せ持った視線がよろしい。…ちうか、それまで平気を保ってたヒロシさんが原田先生を見た瞬間に崩折れるあのシーンは、本作中でも個人的に一番グッときたりしてねワシ。脇役であり千早たちほどその状況について知らないだけに、想像する余地が大きかったっちうこっちゃろかね。

そして千早さんたちかるたバカどもがクリスマスでクラスメイツと交流する話。一応は今時の学生らしくシャレたクリスマス会やっちょるんですが、(前半に出てきたナンパチャラ男との対比もあって)ちゃんとした友人たちとして交流を描かれているのが心地よい。山岳部や茶道部の野郎どもにもドラマがあんだろな、とかね。

今回通じて千早さんへの気持ちを再認識しつつある太一さんの話を設置した上で、「一緒に居たい人は誰か」で新さんに電話をかける千早さんでシメる構成がまた…なんつか、太一っちゃんがんばれ。でも逆境に遭う太一さんもミリキ的なのでそのままでもいいです。