謎の彼女/アクエリオン/ちはやふる

謎の彼女X・7話。卜部さんは陸上の素質があり、クラスのリレー選手に抜擢される。みなの注目を浴びる卜部さんにモヤモヤとした気分を抱える椿さんであるが、モヤモヤしすぎたか洗い髪乾かし損ねたかで風邪を引いちゃうのである。見舞いにやってきた卜部さんは、何やら丘さんからの入れ知恵があるようで…っちうね。

今回のフェチネタは「風邪引いた彼氏を元気付けるために水着姿を見せる彼女」っちうもの。卜部さんの場合はさらにひとひねり、コートの下を水着状態にしたのちに自分の唾液をなめさせる、という…もう普通に水着姿見せたったらエエのにとは思うが、そこらへんの妙な倫理コードがこのお嬢さんの謎加減なのであろう。惜しげもなく見せてくれる丘さんがエエか、ヘンなとこで恥じらいを見せる卜部さんがエエか。どっちみちおさわり禁止ではあるんですけどね。…待てよ丘さん、「今回はそんなためにしたんじゃない」ってことは、普段はもうあんなことやこんなことヤりまくってんのかしら。ええー…うーん、それはそれで劣情が!

ともあれ。なんか普通にクラスの面々と会話してる卜部さんにほのぼのとした気持ちを覚える。疎外されても卜部さんならどうとでも対処するだろうが、にしても懐の深いクラスメイトで良かったね。あとはまあ、順当に丘さんのうざかわいさが光っていた。この詮索好きめ。

アクエリオンEVOL・21話。MIXは救えず、不動司令とミコノは杳として見つからず、各員の士気も上がらない。そんな状況下で「心配いらない」と言うクレア理事長はエーカゲンなのか司令への信頼が絶対なのか。我慢できないアマタは一人でミコノの捜索に向かい、それはゼシカの危機へとつながり、結局ミカゲの思うがままになっているように見える。エライ目に遭ってるゼシカさんですが、まァあれで死んだりはしてないだろうなとは思います。ミカゲさんの言う「約束」によって、死んじゃうよりもめんどくさいことになるような気はしますけどね。

その他にも何か不動的なモノをつかみかけてるミコノとか、お互いが分身であることを悟るアマタとカグラとか、通常通りの死ぬ死ぬ詐欺を続けてるシュレードとか、と様々な要素が盛り込んであるのだが、どうもちょいと焦点がはっきりしない構成ではある。アルテア世界に行ってそのまま帰ってきて、ならば再度アタックするかっつーと学園が機能してなくて、とお話の推進方向がすっきりしてなくて停滞気味なんだよね。愛も人生もストレートとは限らないってのは、まあアクエリのテーマではあるんだけどさ。

…とまあ、そんなアレコレを全部チャラにしちゃう強キャラ、というか一人だけ物語の別レイヤに居てはんのがサザンカさんである。良かったねえ、夢にまで見たシュレードとカイエンとの合体でございますぜ? 満面の笑みと嬌態で「あああ腐っちゃう」って腐るな腐るな。まだ何も活躍してないうちからこんな調子では、ホンバンでは一体なにをやらかしてくれることやら。…サザンカさんだけ特大の悲劇が! とか止めてくださいねェ。なまじすっとぼけたお人だけに、他の誰が災難に遭うよりもこの子の悲劇がワシ一番堪えそうだわ。

ちはやふる・20話。太一さんはA級目指していろいろと研鑽を積む。千早さんはその前にやらんならんこと…ガッコの成績についての問題が山積である。でも、でも。そこに新さんが介入するとなったらもう、全て吹っ飛んでしまう…のだろうか。てことで、またもやチラリと新さんが舞台に登場して去って行くというお話。

今回は割と久々に、上記三人にフォーカスの当たったお話。その中でもやはり、悩みつつも自分自身を見つめ、前へ進もうとする太一っちゃんですかなあ。そ、三人の中にあって太一さんが一番「弱い」。だからこそ、その心には深い機微とドラマが刻まれてゆく。最後、原田先生の前で「逃げない人間になりたい」と伝えたシーンは、宮野さんの思いつめた声質がよう合っててよろしおました。聞いてる原田先生の口あけた絵もね。

んでもって新さん。戦いの中では水の青、負けた怒りを表す焔の赤、そして友と向かい合う時の草木の緑。いちいちカラーシェーマを前面に出した演出が「あ、やっぱこのお人は特別なのだ」と思わせてくれる。…とそれ以上に、千早と太一二人で新さんを見つめるシーンの、彼の背中の絵が印象的でねえ。しっかりと広く、肩甲骨も浮き出た「大人の背中」なんだよな。そんな感じに成長した彼の、中身はやはり新さんであるという会話がまたよろしい。太一さんの相反するお気持ち、まァ判りますわよね。うん。