謎の彼女/アクエリオン/ちはやふる

謎の彼女X・9話。Aパートは髪とフェチについて、Bパートは卜部によく似たアイドルについて。まず前半、寝癖をなんとかするという名目で髪形をいじられ、我知らずクラスの注目を浴びちゃう卜部さん。それに対して嫉妬しちゃってる椿さんがなんかかわいい。…好きな人に髪形をぐしゃぐしゃに、メチャクチャにされるのが快感である、っちうのはまた…不思議なところからフェチを引っ張ってくるものだなあ。卜部さんと椿さんのぐしゃぐしゃシーン、色彩設計どうしちゃったんだよってな真っ赤っ赤の夕日がなんか怖い。あのシーンだけ異世界というか、二人だけの世界に没頭しちゃってるようなヘンテコさがあった。

というとこで椿さんの独占欲の強さを見せて、後半のアイドル写真集話で卜部さんも結構独占欲強いよっちうのを見せる構成。「私も見たいからその写真集持ってきて」っちう辺りで視聴者にはもう「ああ…細切れにされちゃうな」と判るのだが、あくまで鈍感なままいそいそと写真集持ってきて、やっぱし裁断されちゃう椿さんがかわいい。てことで、今回一番かわいいのはある意味椿さんであったと思う。単にかわいいっちうか「青春間抜けかわいい」っちうか。

あと丘さんは本当に、いちいちの企み顔が似合うなあ。結局このメガネお嬢さんがメインで状況を転がしてるようなもんだしねえ。この子、低身長のおかげで相手(=カメラ位置)を見上げている絵が多くて、本人の妙な積極性と相俟ってなんかえろっちいなとか思う。あと広橋声のせいもある。うん。

アクエリオンEVOL・23話。次元の狭間に捕らえられたアマタたちと、実は目の前にあった創世の書を紐解く司令たち。二者の視点をカットバックしつつ、二万四千年の歴史をレビューするお話。言わばクライマックス前の舞台セッティングってとこですかね。前作アポロ(≒アマタとカグラ)の前世が犬だったり、ミカゲさんはやっぱりトーマであってただ単に精神がいじけちゃってるだけっちうことが判ったりとそこそこ色んなことが判明する。もったいぶった話運びや因果と前世が紡いでゆくストーリィは確かに、アクエリオンというか河森アニメっぽくはある、んだけども。

シュレードが最後の力で目覚めるシーンや不動司令のお説教ヴィジョンなど、意味深そうな絵面にちょっと気合が足らないというか…描写の具体性がハッキリしすぎてて、見てるほうをケムに巻く「曖昧さ」が少ないんだよね。それこそこの1話で語ることを語ってしまわないと! という、ちょっとしたせせこましさが見えたりしている。その辺はもうちょっと、遊びの部分を残して曖昧に、いっそ矛盾をもって語っておいてもよかったんじゃないかな、って気はする。贅沢な希望ではありますけどね。

んでまあ、その他には「シュレードが今度こそマジで死んだっぽい」とか「ゼシカがとうとうミカゲの手中に堕ちた」とか、引っ張ってきたネタがようやっと展開した回でもある。この辺の立て込み具合も上記の「そろそろ伏線に言及しとかないと」という急ぎ足加減に見えちゃった理由かもしれない。ま、言及しなきゃしないで文句言うのはワシですがね。あとシュレードさん、世によく言われる「メガネ割れろ」っちう慣用句そのまんまにメガネ粉砕しつつ退場してったので、劇的だの悲劇だのの前になんか笑ってしまった。うん、これはワシの感性が悪い。すみませんねえ。

ちはやふる・22話。山本ユミさん・前クイーンその人について。今まで出てきた競技者の中でも屈指の「生々しさ」を持った人である。地味な外見に地味な強さ、彼女をとりまく鬱屈、OLのかたわらかるたをやっているというのも生っぽい。「自分のかるたで勝負しろ!」という激励を受けて奮起するという定番の流れがあるんですが、そのプレイスタイルってのが「積極的にモメる」というのがまた…。マンガの主役にはなりにくいだろうが、現実の強い競技者のプロフィルとしては実にありそうなのがエエねえ。

結局千早さんはまたもや負けてしまう。ま、前クイーンだしね。それにしても一礼も忘れてしまうほどのショックを受けているようで、今後の展開に影響がありそうで気になるところ。今こそ部員の…主に太一っちゃんのバックアップが求められまっせ。ほれほれ。

音を重視するために締め切った競技部屋、内部の熱気によって窓がどんどん曇ってくるというギミックが面白かった。試合の本気具合と傍観者のもどかしさの演出、双方を表現するのに上手い手だなーとか。