ちはやふる

ちはやふる2・最終話。さあ ひょうしょうしきだ。とまあそんな大会のシメの後、千早さんは謎の指の痛みの治療をすることになる。軟骨腫というなんか恐ろしそうな名前のご病気だが、その手術によりとりあえず1週間の空隙ができ、そしてその「かるたの隙間」にて進んでゆくのはアラタとの関係。…ワキで見てたかなちゃんがキッチリと気付き、お前しゃんとせな負けてまうでと太一っちゃんをぶん殴るも「知ってる」と返されて、と…ううん、これはなかなか…ある意味でアラタさんがラスボスなんだなあ。アラタが好きなんだと言語化しちゃった千早さんだけど、確かにそれは決定的な認識ながら、どうも彼女にとってアラタとかるたは分化していないような印象もある。やがてアラタをかるたとの同一物ではなく、一個の人格として「好きだ」と言えてしまえばそれがホンマの好きではなかろうか。うん、まだもうちょっとだけ猶予あるよ太一っちゃん。多分。おそらく。

物語は富士崎への合宿に赴く千早と太一のシーンで一旦のシメ。まだいくらでも話が続いてゆく体の最終話であり、今後の展開も気になるところですが、まあしょうがないね。あと病院のシーン、お隣のばあちゃん二人組が藤田と林原という豪華ペアなのにすげえ笑った。楽しそうだなあんたら。

●総評。いやもう、ほとんど前期の評価と一緒。かるたという題材をここまで血沸肉躍な物語に練り上げた原作のお話も、実に上等な仕事ぶりでアニメに仕立て上げたスタッフもすばらしい。メイン主人公といえるのは年長さん三人、千早に太一に新なんだろうけど、この二期は特にこの三人を少し後景に引っ張り気味にして他の部員たちの物語も見せなきゃならない、というバランスをキッチリこなしてんのも評価高い。もとより登場人物を安易に棄てキャラにしない、丁寧極まりない視線を持ってんのが本作の良点だけど、本編にて何度も出てくる「団体戦」なるものの意義を描く上でそれが最大限に活かされている。てか何だ、ようここまでネタが続くものだと思うよ。それも題材がかるたでさあ!

マイナージャンルを題材にするってのは良し悪しである。目新しいネタを持ってくればそれでしばらくは持つけれど、その辺があらかた出切ってからは難しくなる。また先行ジャンルの乏しさはそのままセオリーの少なさという欠点にもなる。だからこういう場所で長期にわたってオモロい話を書ける人ってのは、そんなけ荒野の開墾能力が高いってこったろうな。パワーもありリサーチも行い、ガッツリと物語に取り組む。手癖や感性だけではつらいところですわな。

さて。物語はまだ続いていくようである。また原作溜まったら三期とかやってほしいと思いますが、まあその辺は人気しだい制作側しだいでしょうな。夏目友人帳みたいな不定期の長期シリーズにでもなったら面白いかもしれない。あと、今期もちょいちょい川尻善昭が演出に関わっててホッとした。このおっさん、現場が好きなんだろうな。