謎の彼女/アクエリオン/ちはやふる

謎の彼女X・4話。相変わらず唾液によって繋がる日々を送る椿さんと卜部さんであるが、そこに介入してくるのは丘さんである。彼ら二人のよだれコミュニケーションを目撃し、そして卜部さんの方に興味を持ったお嬢さん。そしてひょんなことから、実は丘さんも卜部さんとの唾液適性があることが判明し…というね。こんなけ濃厚な繋がりを持っちゃったのに「自分には彼氏がいるから友人はいらない」とか言う卜部さんはストイックなのか変人なのか古風なのか。でもお弁当をあーんする関係、はオッケーなのね。フシギなお人だ。

上野さんのシークレット彼女、ショートのメガネっこでちちでかいくて広橋声、という何やらアレな属性てんこもりな丘さん。うん、ドストライクです。その上で上っ面ではない積極性に溢れており、卜部さんに(本人にそんな気はないんだろうが)すげなくあしらわれても意に介せずアプローチしてゆく。…卜部さんへのお弁当が「ソーセージのベーコン巻き」という肉々しいものだったのは、肉食系女子ですよーっちうシャレだろうか。友人ではないと言いつつしっかり餌付けされてる卜部さんも、なんかかわいいぞ。

今回は丘さんの唇がやたらめったら強調されてて、そういう方面のフェチ空気が濃厚でこれまたよろしかった。唾液感応性を験すのにわざわざ手のひらをカッターで切る卜部さんの描写といい、肉体的な官能性をぐいぐい押し付けてくる演出作風はこのアニメらしいというか何というか。そんな肉体言語に振り回されてる椿さん、もうしばらくは振り回されててくだせい。それも快感じゃろ? ん?

アクエリオンEVOL・18話。温泉合宿から帰ってきたものの、アンディは落ち込みっぱなしだわそれ見てMIXもモジモジしてるわミコノさんは自分に自身がもてないわゼシカさんはとにかく軸がぶれてるわ、っちうことであっちもこっちも重苦しい雰囲気の皆さんである。そんな所に来襲してきたイズモのおっさんであり、敵の攻撃をそのまま跳ね返すという強力な属性引っ提げての登場であるが…。

お互いにアカン方向へアカン方向へと心情が進んでゆくお話の流れ。それまでの仕込みから「あーこれはゼシカさんがアルテア側にさらわれる/あるいはついてっちゃう流れかなー」とか思いつつ見てたら…えっ? あれえ? MIXさんさらってっちゃうの!? つーかそれでいいの!? レアイグラー云々の中にMIXさん入ってたっけ。つーかあのゲート、レアイグラーじゃない女性がくぐれたっけ。ともあれ、この状況によりますますギスギスしそうな皆さんと相成りました。一番心曇ってそうなのはゼシカさんだけどね。

MIXとミコノに覆いかぶさる父の影があったり、それはアマタが母親に縛られている描写があったり。それらは回想やヴィジョンのみでしか示されず、あまり目の前には親子関係が出てこないのが面白い。学園を擬似家族に見立てた場合、リアル親の描写はちょっとくどくなるからでしょうかね。いや、不動司令とクレアりじちょの両親ってのも結構ヤですけどさ。

ちはやふる・17話。1話総集編を置いて再開のかるた部、これから先の展開に向けてワンクッションってとこですかね。特に大きなイヴェントも起きない幕間話なんだけど、部員5人それぞれにキッチリと、濃厚に、他の誰でもない彼ら自身の物語を設けてあって感心する。その上で群像劇として各人の世界線がからんでゆく展開であり、一見して地味なのにすげえ満腹感のあるお話になってる。うーん、上手いものだね。

太一と西田のA級への奮闘、机くんのデータかるたアプローチ、先生のアドヴァイスに悩む千早さん…各々どれもいいのだが、やっぱ耳目さらってったのはかなちゃんですよね。いやちちの話だけじゃなくて。…そのまあえーと、札それぞれに物語を見るかなちゃんの特性は、アニメ作品の演出として生かしやすいですわな。パッと見ィ印象の似ている二つの歌に対してそれぞれ景色を与えるシーン、それまでモノクロ気味だったBGにぱあっと色が付いてゆくあの演出。この子に見えている世界はとても広くて豊穣なのだろうな、っちうのがよく判る。

話のついでっちう風情でガールフレンド振っちゃう太一さんに対する、皆さんの印象に笑う。うんうんワシもそっちサイドですよこのジゴロ太一め。いや太一っちゃんは根っこ千早一筋だから、っちうエクスキューズはありましょうけどね。あとアバンの体育祭シーケンス、実況担当が何故か水島裕。おっちゃん何やってんのおっちゃん。