Fate/宇宙海賊/宇宙兄弟

Fate/Zero・22話。そろそろこの聖杯戦争も最終局面近し、ってことで各陣営…まあ、そない人数も残ってないんだけど…の身辺整理とか状況深化とか、そういうお話。キレイさんとキリツグさんの関係性についてとかアイリさんの無慈悲な黒化とか、どんどんとよからぬ方向へコマが進みつつあるのが判りやすねえ。結果的にジョーカー役というか、素直に戦争を進めて終わらせてくれそうにないキャラとしてのキレイさんですけれども、どこか迷いや焦燥のような人間っぽい感情が残ってんのが面白い。あるいはアーチャーとの企みによってそういう弱点も含めての人間性を獲得した、ってことだろうか。

さて、人間性といえばライダー陣営ですよな。居候してる老人との会話、ライダーの解放と自由をめぐる主従の会話。とにかくこの、ウェイバー征服王のコンビは凄まじいばかりの人間的な情感に溢れていて、周囲の冷徹で無慈悲な雰囲気からいっそ浮いている。当然ながら甘っちょろいだけではなく、それを凌駕する圧倒的な力量を持っているのがライダーさんで、言ってしまえばものすごく「主人公」なコンビなのである。だからこそこのねじれ歪んだお話にあっては、結局敗退しちゃうんだろうなって思えてしまうのがちと物悲しいが…勝つにせよ負けるにせよあるいはそれ以外にせよ、最後まで征服王のおっさんにあってはその豪放さを失わないで頂きたいものである。判りませんけどねえ。

モーレツ宇宙海賊・22話。噂の海賊狩りにてどうしましょう、っちうお話。海賊のエスコートを海賊がやる、という裏技でもって一挙両得…三得を狙うマリカ船長の奇策が面白いが、そらまあそのまま終わるわきゃねェよな、ってことで海賊狩りさんのご登場。なんかスゲエな! 今までの宇宙船がそこそこ現実的(?)な空間挙動をしていた積み重ねを踏まえた上で、あのムチャクチャな超機動性を見せるという演出はお見事、ちうかほぼ作品が違う! ってレベルですよなあ…とか思った直後、ナレーション役から飛び出してきた小山力也さんが仮面かぶって宇宙空間でマントなびかせてるシーンでシメ、である。…うん、見事なケレンである。「時は来た!」だ。

残り話数から言うてたぶんこの一連が最終エピソードになるんでしょうね。何ちうか、シリーズクライマックスに相応しい雰囲気を感じられます。でもまあ、この作品のことだし、さあド派手にブチ上げるぜ! っちうとこで裏方の電子戦やら政治的策謀やらで解決してうへー、ってのも相応しいかもしれない。姿の見えないリリカさんとかまだ別人疑惑の晴れないケイン操舵手とか、あの辺の動きも気になりますしね。どうやら敵船のお姐さんは三瓶さんであってリリカさんとは違うようだけども。…そういや、リン部長も何かやらかしそうではあるなあ。ジェニー元部長とか出てきてもいいのよ?

海賊狩りの話題振られて「条件が三つある」と端的に提示したり、護衛相手の海賊船々長との会話で堂々渡りあったりとマリカさんの船長能力がキッチリ高いのが見られて気持ちよいね。ガサツで敵対的に見えて、イザとなったら弁天丸の安否を気にかけるあのハゲ船長もよし。海賊ってのはこういうキャラですよ、ってこっちゃろね。

宇宙兄弟・10話。三次試験に臨むムッタたちご一統であるが、集合して早々に謎の装甲バスに乗っけられて引っ張りまわされるのである。笑ってはいけない宇宙飛行士試験24時。次回からは閉鎖環境テストらしいが、このバスの中でもう閉鎖環境ですもんね。コミュニケーション能力と能力相互評価についての適性、ってとこだろうか。…元々の能力は高いはずなのに、相変わらずヘッポコな思考回路から抜け出てくれないムッタさんだけでは話が転がしにくいので、そこら辺はケンジさんがいろいろと気付いて頑張ってください。ストーリィのため、今後ともよろしく。

ここで改めて他の受験者にスポットが当てられる。ケンジさんやセリカさんなど準主役の人たちに加え、新たに前面に出てきたキャラたちはどいつもこいつも個性が強そうであります。いかにもトラブルの起こりそうな面々ですな。ギスギスしたお話を作りやすそうですな。…しかしあのバス、外部を見せないという目的のためだけにしては異様に重装甲になってんのが謎だなあ。パッと見ィの威圧感で受験者に心理的圧迫を与えたりする目的でもあんだろうか。あと多分、近所をぐるぐる回ってただけで結局元のJAXAに戻ってるよねあれ。