未来日記/UN-GO/ギルティクラウン

未来日記・10話。ちょっとした幕間話ではあるが、それでも前後に影響を及ぼすストーリィ上必要な話でもある。「何故みねねさんは初登場時あんな服装してたんだ」「刑事さんが本格的に主人公たちと敵対し始めた」等、そういう流れのこと…ではあるが、しかしそれ以上に各キャラのしょーもないクスグリやコメディに気を許してツッコんだりする、実はそういうのがメインディッシュの回でした。つまりズルズルとユノさんのヤンデレ蜘蛛の糸に絡めとられつつあるヘタレユッキーとか、何でまたそんなに協力的なのよこのモーホー石田彰さんはとか、そして何よりテロリストにしてはかわいすぎねェかみねねさんよォ、っちうね。まあね。


一応相手の新米刑事さんを(殺さないように)排除してハードボイルド世界に戻ってゆくみねねさんではあるけれど、これ絶対あとでほだされちゃう展開だよね。あるいは恋と現実の間で煩悶しちゃうんだよね。かわいいテロリストだなあ。とか言ってると割と躊躇無く牙を剥いてきそうなお嬢さんでもあるので、みねねさんにはあまり逆らわないことにしよう。逆らっていいのは今んとこムルムルさんだけですねえ。あんたある意味無敵やな。


UN-GO・9話。海勝会長と爆弾テロの巻。何だかんだでこのテロの首謀者じゃねーかとの疑いを受ける会長である。そんなん信じられないワってんで新十郎探偵に依頼を持ち込むお嬢様であるが、敗戦探偵は会長の影に別天王の存在を嗅ぎ取って憤慨する。あんな卑怯なヤツとは思わなかった、こらいっぺんギュウと言わせたらんならんでェ…ってことで、割とあからさまに敗戦方向に向かってるように見えちゃう敗戦探偵さん…っちうね。


元から完璧とは程遠いことが主題の一つである新十郎さんであるが、今回はことさら別天王の存在に目をくらませているように見えるねえ。そも、別天王ちゃんは一体誰の庇護の下にあるのか。やはり海勝さんが秘匿しているのか、あるいは速水刑事が押えちゃったのか。因果が出会ってしまった別っちゃんは何のワザをしよったのか、その辺を含めてまだ先は見えない。…今までのパターンからすると、直接の犯人として一番アヤシイのは国府田声の議員一年生さんなんですけどね。思わせぶりなイニシャル入りハンケチが思わせぶりっすなあ。


会長はテロじゃなく情報隠蔽をやるタチだという台詞とか、お嬢様の涙受けて頬ぬぐうとか、結構なフラグを頂いといてから逆方向に走る新十郎さん。これが普通の作品に出てくる主人公探偵なら「そう見せかけたフェイクかも」ってとこだろうが、こと新十郎さんにおいてはそんな周到な思考してるように思えないのがつらいとこでんな。さて、残り話数あんまりないけど、最後にどんな敗戦ぶりを見せてくれるか楽しみにしますか。…って負けること前提のワシもひどいな。


ギルティクラウン・9話。ちょいと期間が開いたのでテキトーに学園生活を満喫しなっせ、という前フリがあったので「なるほど今回はそういう話か」と思ったら学園モードは割とあっさり終わってしまう。典型的幼なじみデートフラグを丁寧に折った後、再会するは例のヤヒロさん。半分結晶化した弟を救うために汚れ街道を進む彼であり、ささくれた彼に対して「俺は裏切らない」と大見得を切って手助けを使用とするシュウさんであるが…というね。


うーむ、ここでヤヒロさんの弟をシュウさんが「殺し」、かつそのことをヤヒロさんに告げる展開にするとはちょっと思わなかった。あざとくて衝撃的でよろしいんだけど、ワシの好みからするともうちょっとだけ湿気が高くて整理的な盛り上げ演出の方が好みだったかしらね。なんちうか、血と運命の逃れられぬ悲劇ィ〜、みたいな。今回のも悪くはないが、なんか「普通のドラマチックさ」に止まってたような印象。ま、これは単なる好み。


ゴロゴロと悲惨な状況に落ち込んでゆくメインストーリーの間々に、割と平和で害のない絵を入れ込んでくるのが良い対比になってますね。ジョックのダン大佐にノリノリで返答しといて「…処世術だ」とポツリ呟くセガイさんの間とか、悲劇のクライマックスの最中に「人生、望んだようにはいかないよね」とひとりごちるいいんちょの絵とか。そういやヤヒロさんのヤサにもアクアリウムがありましたね。


…にしても、あのウィルス症についてはGHQも正確な情報を持ってないのな。あー、少なくともセガイさんのレベルでは謎多き代物なんだ。ワシてっきりGHQが何らかの目的でばら撒いた病だと思ってたよ。違うんか。