えん魔くん

Dororonえん魔くん メ〜ラめら・最終話。てことで地獄と天国の最終決戦、どっちが勝つかあっちが負けるか、世界と人類は救われるのか、その結末やいかに。…ってまあこの作品のことだし、最終回になってもグダグダになるのは当然である。箱のみかんもおみくじも、仕込むだけ仕込んで丁寧にスカしてゆくそのやり口はいっそ清々しい。


しかしホムラカムリの封印外れによる「この世の地獄」はマジの話。実際艶靡ちゃんが望んだとおりのラブラブ世界にはなるのだがちょっと度が過ぎてえらいことに。この「官能大暴走」シーンは確かに最終回のクライマックスらしいムチャクチャ具合で絵的によろしかったっすね。んでまあ、父母役として先代えん魔と雪子、野沢雅子坂井寿美江を引っ張り出してきてシメ。野沢さんはともかく、坂井さんは久しぶり…と思ったらヒーローマンのばあちゃんやってたのか。お元気そうで善哉。


●総評。ワシがガキの頃再放送で見てたえん魔くんアニメとはかなりノリの異なる、何というか…その、あんまり中身のないアニメである。そしてその空っぽさについては作ってる側が相当に意識的であり、なんかもう意地になって「意味なんかねェっすよ」と頑張ってたような、そんな作品。無論元が永井作品なので、意味のないとなれば余計にえろい…いや、この場合は「エッチ」という方がニュアンス合ってるな。とにかくちちしりふともも、裸でゴーでありつつあくまでノリの軽いお色気要素。コレよねコレ。


何にしても、これが木村貴宏さんが長年温めてた企画ですよ、っちう辺りが相当に頭悪くてエエなあと思った。作品のデキ云々は置いといても、このことでもっと好きになりましたよ。ええぞもっとやれキムタカ兄さん。


えー、上で「作品のデキは置いといて」と書いたけど、正直回によってはかなりかったるいこともあったりしてね。まあそういうズルズルさ加減も含めてのネタなんだろうけど、でもなあ…とか思ってたのが割とひっくり返ったのは大妖怪怒黒の回ですね。メインストーリーを放り出して延々と雪子姫とハルミさんのちちくりちちくりを続けてて、結局怒黒さんとの決着はエンディング後のオマケ扱い。後で聞いたらこのノリはほぼ原作準拠だそうで、それにしたってアニメでヤっちゃうってのがかなり面白かった。大御所家弓家正の超無駄使い。


無駄使いと言えば他の回もほぼそうなんですけどね。毎度「今回のゲストキャラは誰でしょね」っちう楽しみもあったりね。んで無駄使い。家弓さんもそうだけど、出た妖役の加藤精三も大概だったなー。楽しそうで何より。


あそうだ、あの過剰な昭和ノリはちょっとどうかなと思わんでもなかった。そら懐かしかったりおもろかったりも無いではないが、そこまで作品の面白さに寄与してなかった気がしてね。ちょっとしたフレーバー程度に留めといても問題なかったんじゃないかな、とか。ま、それはともかく、こういうバカアニメはコンスタントに出現してほしいと思います。それが業界として健全な姿なのよ。多分。