ゴシック/シュタインズゲート/C/あの花/ファイアボール

GOSICK・20話。またもや連れてかれちゃったヴィクトリカさんを追っかける久城さん、とついでのセシル先生である。まずは何とか僅かな時間だけあい見えるお二人さんであるが、しかしこの出会いはヴィクトリカさんにとって千金の価値があるだろう。もう自分を見つけてくれることはないだろうと覚悟していた矢先の邂逅。その重みがあったればこそ、それ以降の扱いにも耐えられた…のかもしれない。判りませんけどね。


てことで、動けない状態にあるヴィクトリカさんに代わり、カオスの欠片…事件のデータを集めんとするヘッポコワトスンのお二人である。ココ・ローズ殺人事件の謎やトリックはまあ…その整合性以前に事件として穴が多すぎるのはいつものことなのでエエか、って感じで。しかしあの、こっそりと替え玉を用意するギミックは赤毛連盟そのまんまではあるな。オマージュというよりはもう、このジャンルの定番手法なんだろうな。


さて首尾よく事件の謎解きは達成できるのだろうか、そしてその成功はヴィクトリカ(とブロワのおっさん)に何をもたらすのだろうか、っちうとこで次回。そろそろ作品のシメ展開が巻き入ってきたかなって雰囲気もありますね。しかしヴィッキーさんの監禁シーン、縛られた少女をマスクの男たちが取り囲んで「ほらほら早く謎を解け」と囃し立ててる…って絵は大概マヌケではあるなあ。


Steins;Gate・10話。秋葉原から萌え的要素が消滅し、ほぼ純粋な電気街となってオカリンの前に顕現する。それはフェイリスさんのDメールによる影響である。今までで一番大きな世界改変に戸惑うオカリンだが、しかしラボメンたちにはさほどの変化が無いことにも気づく。世界が変わっても人との関係性は変わろうとしない。それが世界の理、運命の要請なのかッ! とか言いつつも、またぞろ過去改変実験に手を染めてしまうマッドサイエンティスト鳳凰院オカリンなのであって…というね。順調に「姑息な手段が更に状況を悪化させる」っちうループテンプレに乗っかってきてるような気のせいがしますなあ。


お話の流れなのでしょうがないっちゃそうだけど、ルカさんが女性化しちゃったのに気づかずセクハラっちゃうオカリンはちょいと察しが悪すぎますな。過去改変実験が思わぬところに影響していることをもっと恐れ、留意すべきである。てことでさて、アマネさんを思ってマッドサイエンスに魂を売ったオカリンの再実験は、今回どんな影響を及ぼすのだろうか。人間関係に変化は起こりにくいとは言え、キナ臭い伏線は見え隠れしとりますからねえ…。とりあえず、アマネさんにはタイターとの接点が(薄いながらも)できましたな。ジョン・タイターってのは彼の父の変名か、あるいはその縁者なのか。


ラボにある未来ガジェットたちのギャグはよい息抜き。でもこのうちのいくつかが本編に関わってきたりもしそうですね。チェーホフの銃、ってヤツですか? …まだガジェット番号は飛んでいるので、他にもいろいろ益体も無い代物がありそうでござる。


●C・8話。東南アジアの金融街が深刻な危機を迎えている。…あなるほど、金融街ってのは世界中にいくつかあるワケね。それが破綻すると一体どうなるか…東南アジアが未来と共に消滅してしまう。文字通り「カリブ地域」が消滅してしまったように。うへえ、こりゃデカいお話だ。世界改変ですなあ。こうなると金融街っていつ誰が何のために作った概念なのか、いやそもそも一体何なのか、っちうのが気に掛かる。ひょっとしてキミマロさんの居る現実ってのもホンマはシムか何かじゃないの? とかね。


とまれ。東南アジア危機の余波は日本にも訪れる。風景から次々と消えてゆく日本の「未来」、それは人であり店であり街であり。その中にあってもがく、というより空回りするキミマロさん。彼の迷いと思いはこの状況を打破するキッカケとなるのだろうか。…合理と調和で動いているように見えるミクニさんも、何だか妹に対する執着がワザしてるっぽい雰囲気もあるしなあ。イスルギさんの寝返りっぽいものも示唆されてるし、さて。


キミマロさんの未来の象徴であるというマシュさん。視聴者もキミマロさんもピンと来ない状況であったが…あのイメージシーンは何でしょうね。キミマロさんに生まれるであろう娘の姿、それがマシュさんか?


あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。・8話。それほど深く考えずメンマさんのウチを再訪したジンタンたちは、メンマお母んからの強烈な拒絶に直面する。娘を喪った心中は十分忖度すべきであり、そこに気付かず無邪気な態度を取るジンタンたちにも落ち度はあろうけれど…まあ、こないだの対面時には所謂「オトナっぽい優しさ」な対応だったからねえ。


当然ながら落ち込むご一統を見、ジンタンは「ここからは俺一人でやる」と言う。「自分だけに見える」メンマのことにみんなを巻き込む事はできない。お母さんも弟さんもなるこも誰も彼も重い心を抱えているのに対し、ただ一人メンマに救われている自分の、これは義務だ。…それは「救い」なのだろうか。どうも「呪」に近いようにも思えるけれど。イノセントとファンタジーを体現したようなメンマさんに、現実が振り回されているような感じ。


しかしその現実の重さを垣間見たメンマさんは、一歩だけ前に進む。ははあ…。今まではちょっとおかしくはあるものの、メンマさんは今まで何とか偶然や風のせいにできる範囲内で他者への干渉を行ってきたのだけれど、これはかなり強いメンマさん実在の証拠になるな。まだトリックというか、脚本的引っ掛けの可能性も無いではないですけれどね。むしろこのタイミングでこのイヴェントが発生したことの方に何やら意味がありそうな。ま、それはともかく。


上記の「現実」の現れの一つ、バックヤードでのジンタンとなるこさんのシーン。なるこさんの「行っちゃやだ」「やっぱり行っちゃうの?」「ジンタンのバカ、あたしのバカ!」っちう一連の台詞が結構なパワーでよろしかった。どうしようもない、抑えられない感情の表出でんなあ。


ファイアボール チャーミング・10話。メガネっ娘のお嬢様は「お屋敷の空には星がない」と云。それはこの世界が病気だからだろうと答えるゲデヒトニスであるが、それとは割と関係なく本日はお嬢様の誕生日。サプラーイズ。…とまあそんなお話。にきびとかしゃっくりとかメガネとか、本来ロボットには必要ない諸々の要素がお嬢様には集まりつつあるように見える。それはチャーミングなことだろうか。それとも…まあ、そんなことはともかくサプラーイズ。いや。


この世界の謎と構造と問題をチラチラと垣間見せつつ、最終回までこのままのほほんと物語は進むんだろうな。ちうかぜひそんな感じで。最終回だけは何か思わせぶりな事件が発生したりするかもしれないが…まあ、別にしなくてもかまわない。何はなくともサプラーイズ。いや。