クロワーゼ/シュタインズゲート

異国迷路のクロワーゼ・5話。フランスと言えば自由、である。つまり何をどうやってもよろしい…のだが、それには当然背負うべき責任やら力やらがくっついてくるワケでね。ジャポネのユネさんには、この国の「自由」の細かいニュアンスがまだ馴染めない。客引きで見知らぬ人に微笑みかけてもいいじゃないか、一緒に笑ってもいいじゃないか。…いや、いいのですよ。フランス人はちょいととっつき悪いかもしれないが、そこを越えると…ね。という話。


てことで、何やかやあってユネさんが迷子になる話なのですが、文化も異なる外国で迷子になるという心細さがよう出てたな。話しかけても反応が得られないしそもそも話しかけることもできない。群衆の中の孤独といいますか。無論この作品のこと、あくまで控え目な演出ではあるんだけど…ユネさんのキャラがまた細っこいから余計にねえ。


今までもブルジョアとプロレタリアという階級差は出てきてたが、今回は「貧民」という言葉とキャラが出てくる。ま、ブルジョアキャラ出した以上避けては通れまいよな。貧民少年は燭台盗んでそのまま去っていきましたが、その後の描き方見ると再登場しそうな感じ。…ていうか、盗むとなるとやっぱ職台なんですな。ああ無常。


今回は絵コンテ演出作監原画、後藤圭二の一人舞台。二原も立てず完全に作品を制御した、っちうことか…。検索してみれば今期も大概な仕事抱えた状態でこのありさまである。ちょっと尋常やおまへんな。すげえ。


Steins;Gate・18話。マユリさんを救うために改変した世界を戻してゆくオカリンであるが…ねえ。今回はルカ子さんを元通り「男性」に戻そうという。前回のフェイリス父さんの世界消去もそうだけど、ホンマそれ大した葛藤もなしにやっちゃうようなもんなのか? って気はするよ。オカリンのマユリさんへの思いが強いことはよく判るが、その天秤の反対側にある事象の「重さ」があまりにもないがしろにされてるような気がして仕方がない。やってもいいけどオカリンにそこまでの覚悟や黒さ、あるいは悲壮さが感じられないのだよなあ。俺ならストレスで血ィ吐くよ。


とまあかなり業の深い物語構成をしているのだけれど、それを基本オカリン一人の双肩だけに乗っけていくという構造は同情します。なるほど確かに孤独の観測者、である。群衆と世界の中にあって、オカリン一人がその事実を知り、かつ彼しか行動できない。一人で支えるには重いよねえ。


今回の話が「慣れないデート」っちう定番コメディネタなのはその重さを少しでも軽減しよう、という手法ではあるのかしら。まあ実際見ててバカチンで楽しくはあったのですがね。白衣以外の衣装となるととたんに似合わねーオカリンがなんかかわいい。いかにも「服に着られてまっせ」という風情ですな。ネクタイを評して「首輪をつけられた気分だ」ってのは深く同意する。あれ、先っぽのところを職場や会社に握られてるような気がすんだよなあ。未だにあんまし好きじゃないやな、ワシも。