ゴシック/シュタインズゲート/C/あの花

GOSICK・19話。冒頭いきなりの出産シーン、それも何だか監禁されーの鎖かけられーの、っちう絵面に沢城と菅生のマジ演技が重なるという、どうにもこうにもアレなシーンからスタートである。やってることのエグさの割に描写自体は軽めで演出してきた本作品にしては結構なショッカーアバンタイトルですなあ。…その後の本編がクリスマスのウキウキ話なのでその落差が…とか思ってたら、どうやらクリスマスはヴィッキーちゃんの誕生日でもあるらしい。うーむ、それをブリッジにして繋げますかあ。何ちうか生々しいなあ。


てことで新アーク、クリスマスの演劇。ココ=ローズ王妃の謎の死を題材とした「青い薔薇」という演目は、灰色狼の一派を釣り上げるに格好の題材らしい。画策するブロワ侯爵、あえてであろう乗っかってくるコルデリア/ロスコー組、無理矢理連れてこられるヴィクトリカ、そして我らがお邪魔虫・久城さん。さ、ここで何とか場をかき乱さないと主人公の名が廃るぞ。どうじゃどうじゃ。というね。


まだ語り起こしの部分であり状況がどう動くか判りませんが、「役者」を一同に会させるためのセッティングとして演劇ってのは判りやすく効果的ですわな。石塚声のおっさんも居てたってことは科学アカデミーも来てるようで、てことはオカルト省もアレコレやってくるってことで、まあその辺は次回以降。ちうか今回は初っ端のインパクトがアレだったのでそっちが克っちゃったね。ジト目のヴィクトリカさんを賞玩する余裕もあんましありませんでした。はい。


Steins;Gate・9話。何かかんかやってるうちにタイムマシンのことがフェイリスさんにバレてしまうラボメンである。能天気で萌えキャラテンプレそのまんまに見えるフェイリスさんであるが、当然のことながらそれは彼女のごく一面。しかしてその実態は…秋葉原の主にしてこの街を萌えオタタウンにした張本人でした、っちうね。…んー、通低するテーマの一つが中二病である本作において、割と極まった設定の中二キャラではあるな。


過去改変の余波で消えてしまったIBNパソと引き換えに、一回だけ電話レンジを使わせてほしいと言うフェイリスさん。どうやらお父さんがらみで過去に後悔があったようで、そして改変後の世界線では解決してるようで、まァ彼女にとってはよろしかったですねなのだけど…記憶を継続することができるのがオカリンだけだから、これって取引の材料にはならんよなあ。結局目的のパソは取り逃しちゃったしね。とか何とかはともかく、何度も繰り返した過去改変による影響がどんどん大きくなっているのに割と不安を覚えるオカリンである。…ルカさんの女性化は本決まりのようね。制服がセーラー服になってましたね。


積み重なった時間のほころびは気になるし、未来には人類と世界の大危機がありそうだし、なかなかに興味深い展開だが…これ、2クールもので合ってるよな? 1クールじゃちょっと収拾つかん、ちうか展開がゆったり過ぎる。まあのんびりつき合わさせてもらいますけれども。


●C・7話。ちょっと立ち止まってミクニさんとキミマロさんの過去と現在を見る話。一部総集編のような趣もあるが全体としては普通に状況説明回として成立している構成。ふむ、省力化技法としてはなかなか上手い感じっすね。てことでまずはミクニさんのターン、彼はいかにして現在の立場を得て金融街に乗りこみしか。厳格で非情な父、優しく儚い病床の妹。彼らに対する思いがそのまま現在のミクニさんを形成している。…お話が進んでくるとこの父親像にも別の面が出てくるのだろうな。そうしたときにミクニさんはどう変化するのか。ある意味「変化してゆくこと」がテーマでもあるし、そこら辺は割と楽しみである。


後半はキミマロさんのターン、正確に言えばマシュさんのお話。自分をナチュラルに「一個の人格」として接してくるキミマロさんに「ケッタイな奴っちゃ」という感想を抱きながら、しかしマシュさんはそれは不快ではないなと思っている。彼女から見たキミマロ像は「迷う人」である。別に考えんでいいようなことをうじうじと考え、迷い、悩んでいるなあと。多分それは彼にとって大事なことなのだろう。この辺のぽわぽわした関係性はエエ感じである…ってことは多分、上記の「変化」を考えると今後ともこのままっちうワケにはいかないのだろうな。マシュさんが「キスってナニ? やってみたい!」ちうてドーテーのキミマロさんをドギマギさせてる描写といい、上げて落とすためのシコミっぽく見えていかんなあ。げへへ。


アセットはアントレの「未来」を具現化したものらしい。ミクニさんがいつも連れているあのお嬢さんはまあ妹さんなんだろうけど、さてマシュさんはキミマロさんのどういう未来を表した存在なのだろうか。今のところあまり女性とは縁のなさそうな彼だけど…生き別れの姉妹でもいるか、まだ知らぬ関係性を持った女性が居るのか。あるいはお母ん、ってことはないか? さて。


あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。・7話。メンマさんの願いを探るご一統であるが…なんかもうユキアツもつるこもフツーに一緒に居てんのがほほえましいというかなんというか。やはりこうして「皆で居る」っちうことが願いの一端なんじゃねーかって気はするなあ。なるこさんの「ゆきあつるこ」というペア名称に割と笑う。そう呼ばれてんの知ってますかゆきあつるこさんたち。どうですか?


そして今回のお願い候補として提出されたのは打ち上げ花火。自作の花火もって天国の神様に、ジンタンのお母んについての手紙を届けよう、っちうガキらしい無茶な計画案である。あーバカだなー俺らバカだったなーとひとしきり笑い、そしてちょいと昔を思い出しておセンチになる。なんかエエなこのシーン。色々と思い出されたりしますわねえ。…ってェかそうか、この地方って龍勢のご当地なのか。ほほう、ですわ。


ほんじゃ花火を注文してみっか、ってそう簡単にはいかない。まずは先立つものが無い、ってんでバイトに精を出すジンタンにつるこにポッポさん。久々に生きていると実感する割と簡単なジンタンであるが、しかしその単純さはそのまま、本来彼の持っている「良性」に直結している。「そなんすよ。カッケーんすよ、ジンタン」。こうしてまあ、あー打ち上げ花火でも違ったかあ、じゃあ一体なんだろう、っちう話になるかと思うんですが…ラストシーン、メンマのお母んの態度と台詞が引っかかる。「ふざけてるわね」か…。確かに今までスルーしていたが、見方によってはジンタンたちは「自分から娘を奪っていった存在」ではあるんだよな。うーむ…さてなあ。


っちうところでヒキ。毎度ながら丁寧なツクリでよろし。地に足付いた描写と少々ファンタジーなネタのバランスが気持ちよいな。次回も楽しみに。