花咲くいろは/カイジ

カイジが録画できてなかったのでアレコレして補完。ま、不安定なワシのパソにはよくあることで。


花咲くいろは・10話。微熱の日・何も無い日。ちょいと過労で床に臥せってしまったオハナさんが、まとまらない考えをただよわせたりままならない体を動かしたりする話。熱に浮かされてる状態らしい不思議なテンポの演出。どこか現実感が無いような、何か物事がハッキリしないような、そんなコンテ。休んでるところにぽつぽつと誰かがやってきては、TVを点けたり消したりするのが面白いな。あれがちょっとしたアクセントになってる。


昼間から布団の中に居るとどんどんとネガティブな思考になってしまうってのはいがらしみきおのマンガでも言ってたが、ナコさんの何気ない気遣いの言葉に「ああ、もうここは自分が居なくてもいいんだ」とか考えちゃうのがなんか判るな。そういう寄る辺無さによるものでもあろうか、ポーッとしたままなのにいちいち働きに出ようとするオハナさんがオハナさんらしい。つまりウザかわいい。弱っててもこの子はこの子やなあ。


てことで、ズルベッターっとした印象の回であり、何か妙に面白かった。熱出したときの常ならぬ時間の感覚、っすかね。あと、トオルさんの心はどうにもオハナさんに接近しつつあるようでして、そのことに薄々感づいてんだけど、それでもオハナさんを元気付けようとツンデレてしまうミンコさんが健気である。ブキッチョやからね、この子もね。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・9話。自分の作り出したワナにガッチリと捕らえられてしまった大槻。班長権限やら情状酌量やらでこの場を逃げ切ろうとするが、そこに登場の黒崎幹部さんである。まそやね、こういう重しでも出てこんと収拾がつかぬわな。結局大槻は溜め込んだペリカのほぼ全てを吐き出し、無一文のどん底に転がり落ちる。そして大槻のペリカを総取りのカイジたち、いや仲間から全てのペリカを託されたカイジは、この地下世界そのものから抜け出すために…またもややることはギャンブルなのよね。てことで、「沼」編突入である。


黒崎の言うとおりカイジさんは「バカか利口か判らん」男である。自堕落かつ自制心の無い男かと思えば怜悧で大胆な戦いもする。…少年マンガ等のテンプレでよくある二面性主人公、ふだんは役立たずだがイザとなると無双、所謂昼行灯的キャラと似ているようで正反対なんですな。あっちは本来の強さを隠しているキャラ、カイジさんは本質がダメ人間で切羽詰ると覚醒しちゃうキャラ。つまりその、彼が「強くある」ためにはまずダメダメな生活で身を持ち崩さなきゃならないワケで。居るんだろうなあ現実にもそういうタイプ。ま、実際は「俺はそういう男だ」と思い込んでるだけの全身ダメ人間がほとんどでしょうけれど。まいいや。


カイジたちが仲間との信頼を讃えあうシーンがなかなかに胡散臭く、普通に見てても「あ、信頼が崩れちゃうフラグだな」てな感じだが、まそれは置いといて。いよいよ沼編だけれども…原作では少々テンポが悪い章だったので、上手いこと再構築してくれたらありがたいなとは思ったりする。このスタッフのことだから期待持てますけれどね。…坂崎のおっちゃん役に、これまたシヴい所から二又一成。この人もナチュラルに中年以上の役ができるようになったなあ。