花咲くいろは/カイジ

花咲くいろは・13話。お母ん来襲、第一種戦闘配備。ここに親子三代のめんどくさい女の人が勢ぞろいである。従業員の皆さんの恐怖と心労やいかばかり…というお話。作中においてキャラ的にかなり最強に近いお母んの存在は流石に一筋縄ではいかず、今まである意味絶対的な立場にあった女将…おばあちゃんのキャラも相応に揺らぎ…隠していた人間性が垣間見える。「夢をみていたんだよ」のゆるりとした台詞調子が千両。流石である。民江ねーさん、伊達に演技経歴は長くない。


お母んはお母んで、人間性に非常に問題はあるものの、状況を見て把握する能力は飛びぬけて高い。なのにそれをガン無視してダラダラとした対人関係を構築しているのはとてもこの人らしいキモの太さではある。まー何だ、少なくともあの「コンサル」さんよりはよほど社会的情報能力は高いよね。問題はそれを生かそうとするにはちょいとアレな性格だっちうところですが。


お母ん対策を練っているおばあちゃんと孫の会話。女将の台詞もいつの間にか「あのお客」から「あの子」に変わってゆく、その辺の機微がやはり家族関係ではあるなと感じさせる。…これからの話はこういう、女将の人間的な弱さ/強さについても語られてゆくのでしょうかね。となるとあのかわいそうなボンについてももちょっと知ってゆきたい気もする。ごめん割とどうでもいいや。うん。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・12話。おっちゃんはただ妄執とともにパチンコを打ち続ける。切れかけた吊橋、ブレーキの焼きついた暴走トラック、などなど。いまさら引き返せない破滅一直線を喩える福本節は、毎度ながら直截的かつインパクト大でおもろい。しかし一番ガチな喩えは「限りなく続く射精」って一文だよなあ。巨大な絶望と表裏の僅かな希望、全部抱えて放心状態で突き進む賭博ジャンキーの究極ダメ形態ですな。こういうドロッドロの描写させたらホンマ、右に出るものがない。すげえわ。


てことで首尾よく(?)カイジとおっちゃんは大破滅、もう何も怖くない状態のどん底である。こうなってからが強いカイジさんであり、早速敵陣真っ只中に乗り込んでメタな勝負と駆け引きを開始する。…今回登場の一条さん、初っ端から黒崎さんとの対比で人間的弱さを提示されているのだが、案の定「設定された勝負舞台」以外の場所では単なる高慢なお人である。まあカイジさんも行住坐臥、常に強いワケでもない(ちうかその逆)なんだけど、やっぱ瞬発力が違うやね。


アレコレちまちまと打開策を探り、さて次回以降は逆転話ですかな。無論そうそう一筋縄にはいかないだろうけど。あと、やっぱテンポは原作より良くなってるような気はしますな。具体的にどの辺ってのは精査してないけど、結構考えて再編集してあるような感じ。よろしいよろしい。