ゴシック/シュタインズゲート/C/あの花/ファイアボール

●なんか録画の調子が悪くてちょいちょい録画ミスってたので、アレコレして補完。ま、それはともかく。


GOSICK・22話。仮装クリスマスパーティでなんかいちゃいちゃしてるヴィクトリカさんと久城さん、そして外れ者状態のアヴリルさんである。なんかねーもう、このアヴリルさんの報われない度合いが見ててかわいそうでねえ。物語上の要請ではあるけれど、久城さんのニブカンぶりが極まった状態なのもアレだしねえ。とか言うてたら怪しい男どもにさらわれてしまう久城さん。普通はヴィクトリカさんがさらわれるのがいつものことなんだけど(いやそれがいつもってのもおかしな話だが)、今回は久城さんがその役目。


どうやら目的は国内不安定による外国人帰国措置、という名目の外国人排斥、に見せかけた久城さん確保のようである。…それはともかく、いつまで経ってもウサギ着ぐるみ状態の久城さんはどうしたことか。いくら彼がヴィクトリカさんを掌中にするための囮とはいえ、着替えるヒマくらい与えたっても良かろうにな。んでもって久城さんは久城さんでこの期に及んでヴィクトリカさんへのプレゼントをアヴリルさんに渡して彼女の表情を曇らせたり。アンタはもちょっと…ヴィッキーちゃん以外の人にも気を遣え!


全てはブロワ公爵の引いた図面通りっちうことだが、具体的にヴィクトリカをどのように使うというのだろうか。彼女の出生の経緯からして結構エグいことやるお人/お話だし、いろいろと気になるところではありますがね。残り話数からしてこのアークがシメでしょうけど、さて。


Steins;Gate・12話。タイムリープ/記憶過去搬送マシンは一応の完成を見る。しかし今までのタイムレンジと違い、人の記憶を対象としている以上これ以降は「人体実験」にならざるを得ない。…表面上は鳳凰院というまっどさいえんちすとのペルソナを持っているオカリンであるが、こういうときにはちゃんと物事を判断できる、まあ普通の兄ちゃんである。てことで実験は中止、ひとまず装置の完成を祝おうやないか…っちうところに襲来する刺客。それはまるで、みんなの中二病が具現化現実化して焦点を結んだような…。


たとえ背後に重大な事件の影が感じられようと、今までは割と狭い範囲でしか語られてこなかったラボメンの/オカリンの世界だけど、ここにきてぐいっと広がりましたな。ショッキングな人死にも然りながら、まずは主要キャラ以外の人物が介入してきたことがこれほどの「異物感」をもたらすのが何かおもろい。なんちうかホンマ、ラボメンとその関係者以外の人間は居ない、か単なる背景的装置みたいな感じだったもんね。いやそれ言うと今回の乱入者たちも無個性ではあるのだけれど。…とりあえずはモエカさんがスパイでした、という。クリスさんのスパイ疑惑は晴れたわけではないが。


実験の中断、他愛ない日常の描写、たのしいフラグ立て二連発…と判りやすいシコミが判りやすくてよろしい。いかにも「ああ、これはあとから悔恨をもって回顧される風景なのだな」っちう道具立てですもんね。シコミに対するバラシが早々に来てしまったのはまどろっこしくなくてエエのだが、この段階でやってきたってことはまだまだ裏がえしも展開もありますよ、っちうことでもある。さあ。オカリンはこの悲劇をチャラにするために、また時間操作をするのだろうか。あるいはそれは誰かの意図したことなのだろうか。さて。


…でもね。ブラックホール使おうがLHC使おうが、3テラバイトのデータを36バイトに圧縮するってのは相当な無茶だと思いますよ。まあこれは「あえて」の描写だと思うけれど。うん。


●C・10話。未来を失いつつも何とか守りきったこの国の現在だが、しかし米国の介入は事態を巻き戻す。再び襲い来る崩壊の波に、ミクニさんはさらに輪転機を回す…未来を消費することを選択する。目の前で人が、人々が、多くの人々が消えていったのを目の当たりにしたキミマロさんは、ミクニさんを止めるというジェニファーさん(と情報屋)の戦線に加わる。円を暴落させればミクニさんの力…その強大な資産は霧消するはずだ。そして…というね。


今回はバトル二本立て。キミマロさんの方のバトルは状況への寄与具合こそそれほど大きくなかったものの、キミマロさんの主役的な立場を解題する上では重要な意味を持つ要素。キミマロさんにとっての守るべき未来とはマシュさんであり、それは「目の前のマシュさん救いたい」という短絡的で即物的な、同時に主人公的なモチベーションである。そしてマシュさんはそれに応える、っちう展開ですわな。


本チャンバトルにおいて劇的に敗北したジェニファーさんの意志と資産を受け継ぎ、さてこの国の現在と未来を賭けて激突する二人の男。なんだけど、結局どっちが勝っても負けてもあんまし世界は幸せにならんような状況だよなあ。持ってる希望は似たようなモノながら、何故か敵味方に分かれてしまっている…未来と現在、天秤に載せるようなものか否か。多分現況はマサカキさん、とその「上」に居る存在なんでしょうけどね。にしても「上」ってのは何か実態のある存在なのか。得体の知れぬ経済構造とか、そんな名前のない怪物みたいなもんじゃないかしら。さて。


あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。・10話。龍勢の打ち上げは明日に迫る。各々思うところありつつもとりあえず前夜祭ってことで寄り合うのだが、ユキアツさんはそこで一つ大きな仕掛けをぶち上げる。余興にあの日を再現したらどうだ。あの日、ジンタンがメンマに好きと言えなかった日、ジンタンがそのまま逃げていった日、…メンマがこの世から去った日。


結局そのイヴェントはそれほど状況の流れを変化させるには至らない。ただまあ、あなるさんとつるこさんの間は…オンナとして縮まったかな。大きなわだかまりや赦しへの希求、諸々抱えたあなるとつること対比されるイノセントなメンマさん。だけど、彼女にはとても大きな欠落があるのは自明である。「もし普通に大きくなってたら」。そ、メンマさんはこの世に居ない(半分居てるようなもんだけど)。そしてこの世に生まれ変わるには、何かしらまだ、足りないものがある。それが彼女の願いだろうか。


生まれ変わること。人として、それともネコとして、…あるいはお花として。ゥおいおい、何やら意味深な文章が出てきましたよ、っちうのは置いといて。


まああの龍勢ロケットが最終解決策だとは思ってなかったけど、とりあえずメンマのお母んと弟さんには何か思うところはできただろうか。んでもって前半のメンマ家族の会話、ここでの弟さんの台詞「俺の身長何cmか知ってる?」っちうのが上手いわな。この一言をチョイスする脚本のセンスもエエし、その重さを重さとして充分に際立たせる演出もよし。うーむラストに向けて辛抱ならなくなってきたぞ。メンマさんがどっかいっちゃうことを恐れるジンタンの如く、この作品が終わってしまう残念さをかかえるワシ。しょぼいなワシ。まいいや。


ファイアボール チャーミング・12話。お嬢様は1話以来の夢の中、重力という文字を拭き消したら世界は回る。…現実のお屋敷も回転中、何故と聞かれれば「人類が攻め込んできたから」だそうな。よう判らんが理屈はありそうだな。お嬢様の要請により明かされるチャーミング人類の由来、そしてお嬢様が文字通り―夢の中でしたように―払拭する隠された謎。…毎度ながらその、長くシリアスな物語の「露頭」だけを見ているような感覚に陥る作品ではあるなあ。基本的トーンは相変わらず頭のいいバカだけど。


人類の使用していた「乗り物」はあれ、何でしょうね。カプセルというかポッドというか、何となくAKIRAの中心球のようにも見えますが。汚れをふき取ってチャーミングがワーニングだと判った瞬間の、大川ゲデさんの「うおおおお!」っちう叫びが良かった。今までガッチガチの執事演技でしたから、その対比でねえ。