刀語

刀語・11話。毒刀・鍍の巻。ラス前だし刀やバトルのアレコレよりも物語構造的な要素がぐいっと前面に出てくるのは当然なのだが、それをちゃんと「刀やバトル」という本作の主要素と不可分に語っているには抜かりが無い。ま、「語り」が本分のこの作者/この作品のことだし、そこを抜かるとは思ってませんですけどね。てことで、頭からケツまで意外なタネ明かしと衝撃展開で構成する一時間、である。…とがめさんに総括的に今後のことを語らせ、その後でキッチリと暗雲を垂れ込ませるという「お約束の律儀さ」を欠かさないのもこの作品らしいっちゃ、らしいよね。


鳳凰の体を借りてこの時代に出現する刀工・四季崎。未来予知者にして歴史改竄者という割ととんでもないおっさんであり、今までの奇抜な刀群はその予知能力を使って打ったものらしい。…うん、2010年段階でまだムリっぽい刀もありますが、いくらでも未来を視られるならまァ何でもアリっすわな。そして歴史改竄者の要素だが…ははあ、この作品の基本テイストたる「架空過去のファンタジー」もネタでしたか。七花さんの奥義をそのまま受け、「なるほど、悪くない」と自分の「作品」を評価して死んでしまったが…ま、このままシマイとも思えませんしね。また何らかの形で、彼の意思や思念は出てきそうではある。


ペンギンさんやとがめさんの描写、また伊賀の里の行状など、全体にシリアスというよりは陰惨な印象を与えるシーンが多い。ラス前だしね、盛り上がりには貢献してますわな。


冒頭登場の四季崎さんに森功至。なんだか年齢不詳でアヤシゲな役柄として、万年青年声な森さんはかなり適役っすね。ちょっと磊落で崩れた口調を印象付けといて、鳳凰戦にてそれを置鮎兄さんがマネして関連付ける、ってのはなかなか。お互い結構な演技力量がないと無理な演出だわなあ。


…さて。次回どういう風に決着つけるのか、楽しくもあり寂しくもあり。