オオカミさん/刀語

オオカミさんと七人の仲間たち・4話。おつうさん担当回、彼女はいかにして恩返しの権化になりしか、という話。劇中では「恩返しフェチ」てな表現をされているけれど、どちらかと言うとこれは「恩返し強迫症」とかそういうのに近いな。相手から受けた厚意はすべからくお返しすべし…って何か「荒川アンダー」のリクさんのような性格だ、と言うとだいぶ印象も異なりますか。


あとついでにリョウシさんとこの大家・ユキメさん(おんなじような名前の人、どっかに居たな)も出てくるんですが、サバサバ性格の売れっ子でかちち恋愛小説家、とまあこの人はこの人で後々エピソードがありそうなキャラ立ちのお方である。ちょっと気になったのは、ユキメさんとオオカミさんの小説がらみのエピソードと、今回メインのおつうさんのエピソードにあまり関連性が感じられなかったことかな。お互いちょっと乖離してるような印象があったし、またおかげでおつうさんのお話にも強い焦点が当ってなかったような。まァユキメさんの方はさらっと紹介程度の扱いなのではあろうけれども。


おつうさんに恩返しフェチを克服させるため、部員みんなで恩を売りまくって飽和させる…という作戦自体の必然性はかなり薄いのだが、基本的には「部員皆さんのメイドご奉仕を見せる」ってのが目的の設定なのでそれはまあよし。問題は他ならぬその、ご奉仕やらメイド姿やらの描写自体までが薄いことであーるよ。ギャグでもドタバタでもえろっちでも構わんから、そこはもっと話のヘソとなるような「濃さ」が欲しかったところ。あと何だ、魔女の人は瓶底メガネと帽子とったらメチャクチャ印象が変わるのな! しばらくどなたか判んなかったですよ。


刀語・7話。最凶最悪の刀・七実姉ちゃんとの対戦。刀よりも人として生きはじめている七花さんと、非人間性の権化のような七実さんという対比構図であり、何をどうやっても勝てる要素のなさそうな状況なのだが、七花さんはわざわざ敗北フラグを立てまくってから試合に臨むのである。…そらまあ、あんな姉ちゃん無双を見た後ではムリゲーってのは明白だよな。しかし七実さんは弟を生かしたまま勝負を終わる。とがめさんはそれを「弟には甘い」と表現したが、その真実は…というね。


七実姉ちゃんの、他者を雑草ほどにしか感じていない徹底した非人間性という要素と、己が運命を厭い弟に殺される事を望んでいたという要素、この二つの関連性が薄いのはいささか気になる。なんぼ「運命に振り回された悲劇の人」てな話運びになろうが、そのシーンに至るまでの手段がアレだもんなあ。よくある「世間を巻き込んだ壮大な兄弟(姉弟)喧嘩」のパロディみたいな意図もあんでしょうな。最後の最後、しおらしい台詞を言おうとして邪悪な方に噛んじゃったというネタを見るだに、やっぱ姉ちゃんは誰にも理解されるような主体ではないのだ。…なんでこのタイミングでハタ迷惑な殺し殺されツアーに出たんだろ、とか少々行動原理に疑問はあるが、まあいいや。悪刀所有者の名の通り、「悪」の体現者として構築されたキャラ、なのだろう。


割とストイックな構成の話なんだけど、それと比して画面作りのほうは妙にシカケや装飾が多かったような印象。ADVゲーのような会話シーンとか対戦格闘っぽい横位置フィックス構図とかね。奇々怪界ネタなんか若いモンに判るかい、と思ったがまた最近リメイクされてたのか。僧兵の中に何故かゆっくり顔の人が居たのも、まわりまわってのシューティングゲーム繋がりなのかしらん。ゆっくり殺してってね!!! か。何となく80‘sアニメ的なフザケ方だけどね。


人物等の主線に太目のタッチがついてんのはなんか良かった。シンプルなキャラだけに、こういうメリハリがあるとちと目を引きます。あと、後半は坊さんたちがみな真庭のペンギンさん顔になってた? そういう能力なのかな。