海月姫/屍鬼/荒川

海月姫・4話。何がどうなってか蔵之介さん・修さんとの水族館ハーレムデート状態になってしまう月海さんである。ま、月海さん側からしたら「至高のプライベート時間を侵害されてしまった」以外の何ものでもないでしょうけどね。…んでもってこのデートにて月海さんは、修さんのラヴ感情は更に深化させちゃうわ蔵之介さんの嫉妬心をかき立ててフラグ立てちゃうわ、と(意図せざる)大活躍。うはは、少女マンガやねえ。ニヨニヨするねえ。よし。


主原因はメガネ。「メガネを取ったら美人になる」ってのは今更どうこう言うようなモンでもないド定番クリシェだけれど、今回の月海さんの場合「周囲がよく見えないので行動が活発に、魅力的になる」という切り口なのがちと面白い。外見じゃなく、立ち居振る舞いに魅力が発現されてくるワケね。しかしその「美人モード」は仮初のもの、周囲の認識が不完全であるという欠損によって発生している限定的なものである。さて、メガネONの状態で月海さんと修さんが双方認め合えるのはいつの日か。…メガネが無い状態=ペルソナかぶってる状態、っちう逆説っぽさも興味深くはあるか。


その辺も進展も含めて、今後の擾乱要素になるであろうネタが天水荘の再開発なんだろな。蔵之介さんはえらいこっちゃと慌てるのだが、肝心の住人たちの反応はいや知ってたけど多分大丈夫でしょ? お隣さんたちも反対してるしね? と実に現実感が無い。しかしこれは虚構作品、その危機は絶対に顕在化するに決まっちょるのでしょうけどな。…ふむ、今んとこ登場人物がどっちに転がってゆくのかまだまだ予測ならず。楽しいね。



屍鬼・15話。尾崎医師と清信和尚の道は別れてゆく。かたや屍鬼を殲滅するという血塗られた道、こなた屍鬼を認めんとする昏い道。心象風景的なシーンで、尾崎さん側の背景は赫/清信さんの方は黒、という色で示されているのが判りやすい。どちらの道も、明るく希望の見えるものではない…っちうこっちゃよなあ。


状況を覆そうと活動を開始するも、なかなか上手く進まず空回り気味な尾崎医師。確かにまともな神経ならばそんな恐怖を認めたくはない、ってのが本心だろう。あるいはそういう風に、人間側からの反撃を封じるように侵略してゆく…という屍鬼たちの心理的メソッドなのかもしれない。そんな中久々登場のナツノさん、ああ…この人もとうとう人外と化したか。しかし目の描かれ方が起き上がりのそれではないようだけど…さて?


とまあ全体的にどんどんと暗く湿ったお話になってゆくのだが、その中にあってどーも突拍子もない、マジメな顔してボケてるような描写がちょくちょく出てくんのがこの作品だよな。飛田展男のバカチン葬儀社もさりながら、「夜中に役場に行ったらすっかり屍鬼たちに掌握されていた」という恐怖シーンにおいて、役場入口横っちょのブラインドがスルスルと開いたら何故かむっちむちの久川綾姐さんがしどけなく横たわってて挑発してきました、っちう展開は流石に吹かざるを得なかった。姐さん、地位利用して何を設えてんスか。


あと今回のヤスヨ看護婦さんはメイド服でした。こ、今回も誘ってやがるぜ…。ゼヒ勘弁してください。


荒川アンダーザブリッジ×ブリッジ・7話。健康診断ネタから隔絶環境ネタへと渡るお話。冒頭のシロさんと村長の会話、お互いの健康自慢で口論するという「ジジくさいガキくささ」がなんとも、ねえ。よう判るわー判るわー。大塚芳忠藤原啓治のバカ喧嘩ってだけでもう、なんか微笑ましい。…56歳と46歳なのか、中の人は。それ聞くとさらに生々しいや。んで結局荒川下住民で健康診断することになるワケだが、何だかんだでちゃんと独自の役割を持っちゃってるリクさんが微笑ましい。こういうこと…「荒川世界外に大きなリソースを持つ」ってのは、このコミュニティにおいても一芸に当たるよな。ま、村長の謎の権力は置いといて。


後半は何故か一週間耐久隔離訓練。ずーっと仲よさげ(だけどまァオチはちゃんとあり)なお嬢さん方と、まずは居心地悪いもののノリとバカが許せば吹っ切れちゃう紳士さん方、双方ともネタとして面白かったなあ。特に野郎サイド、一旦ノるとなったらちゃんと最後までノってあげる、ちう行動パターンがよく判りすぎる。ああいうとき、全員優しくなるよね。うん。あと、慢性的な加虐嗜好を持ちながら「女性に対してはそれを封印している」っちうマリアさんがなんかかわいかった。根っこや性癖はともかく、そういうことを律しているって段階でちゃんとエエ人だよね。ま、リクさんはご愁傷様。シスター兄さんは…本人が幸せなら、まあ。


エンディングは先週のまま、オサレ絵ヴァージョン。実写もエエけど、ワシこの絵が割と気に入っちゃったので個人的によし。第二期移行ってことかしらね。