日常に潜む官能の罠

●日も落ちて街灯の点る帰り道。向こうからやってくる二人連れはいかにも会社帰りの若いカポーであるが、なんかどっかヘンである。ほどなく違和感の原因が判明、よくよく見ればお嬢さんのほうがアイマスクで目隠ししてんのだ。んでもって男の方は相方の腰を抱いて誘導している。…これはその何でしょう、そういうプレイなのかあるいは野外モノの撮影か。そこらの植栽やビルの角にカメラが仕込んであるのか。ワシが気を使って避けてあげた方がベターなのか。


などとワヤワヤ思ってたら、お二人さんそこんとこのイタメシ屋さんにそのまま入っていきました。あー、なるほどね。誕生日とか結婚記念日とかで、野郎の方がサプライズディナーか何かを画策してたワケだ。ちょっと目ェ瞑っててな、エエっちうまで周り見たらあかんでェ、ほうらおめでとう、ってなもんだ。そうかそうか、なあんだ。


でもな、やってることは判ったけどな、もうちょっと人目気にした方がエエんと違うかな。ワシは最後の瞬間見たから状況を把握できたけど、途中ですれ違った人たちは皆振り返って不審な眼差し投げかけてたでェ。…やっぱそういうプレイもツアーに含まれています、ってヤツっすか?


●後輩の人が以前、本屋だかどこだかで実際にそのテのプレイしてはる人を目撃したそうな。ロングコートの下が亀甲縛りですっぽんぽんの女性がおっさんに連れられていた、と。まァそういうジャンルでは定番のアレなのだけど、実際にリアルワールドで出くわしたら単純にドン引きするだけでした、とのこと。…そんなもんかな。そんなもんだろうな。よう判らんけど。