デュラララ

デュラララ!!・10話。承前、首傷お嬢さんを匿っちゃったので状況が動き始める竜ヶ峰さんのお話である。一応は主人公的立場にある彼ではあるが、今までの「状況紹介編」では割とワキに下がりがちだった感は否めない。ある意味しょっがないのではあるけれどね。突発的に利他的行為をしてしまう、てなヒロイック体質はあるものの、普段は非日常になんとなく憧れているだけのヘタレ少年である竜ヶ峰さん。…その彼がガチャガチャガチャーっと一気に、作品の本質に迫ってるぞ! っちう雰囲気を見せるラスト1分の急展開具合が面白い。


でもどうやら、お膳立てとしての黒幕はまたイザヤさんであるようですけどね。こうなるとあの荒事野郎どもを呼び寄せたのもイザヤさんじゃないか、って気もしてきますが。…この人のやってることの極端な概念依存性…つまりまあ、利益やら情念やらという普通の悪人が拠って立つような要素の欠落ぶり…はいかにもラスボスっぽいんだけど、その「規模の小ささ」が妙に生々しくて不思議なキャラではあるなあ。何というか、こういうことの積み重ねの先にあるものがよく見えない、っちう不気味さがありますです。ヘンな人だ。


竜ヶ峰さん、セルティさん、そしてイザヤさんの三人がその道を交差させるに至る校門前。竜ヶ峰さんの言うとおり、実にシュールな絵面ではある。この物語の、どうやら主要人員上位に居るらしきお二人に出迎えられてしまった竜ちゃんの気持ちやいかばかり、ですな。ここでも外見的特異性とは裏腹な「普通さ」を見せるセルティさんがよろしいなあ。ヒロインやねえ。