デュラララ/おお振り/ナイトレイド

●デュラララ・22話。アンリさんに伸びる黄巾族の…高木渉チンピラさんたちの魔手。他人のために何かしなきゃ、っちう思いが裏目に出たことを知り、アンリさんは覚悟決めてサイカとして状況を解決しようとする、のだが。ここでも切り札的に登場、場をチャラにして去ってゆく平和島さんである。やっぱイザヤさんの言うジョーカーってのはこの人なのかな。機械仕掛けのシズオ(シズオエクスマキナ)ですな。されど彼も銃弾には敵わないってことで。まァ当たり前ですが。


アンリさんのために「ダラーズらしい」やりかたで救出作戦を仕掛ける構成員。一応それは奏功し、そして上記の静ちゃんシーンに繋がるわけだが、しかしここでの高木チンピラさんの挑発台詞にも一理はある。アンリさんを救うということと、その他大勢のダラーズたちを救えなかったことの差は何だろう。アンリさんがこの抗争劇の(もっと言えばこの作品の)キーキャラだから? その他大勢のダラーズさんたちはこのような連係プレーで救出するに値しないようなキャラだったから? あるいはちちメガネっこだから? ならしょうがないか。


今回のアンリさん救出行動で一旦は(主にネット上で)息を吹き返したかのように見えるダラーズだが、その救出行動は多分、純粋にプロパガンダとしての意味合いしか持たないだろう。実際これ以降も黄巾族たちとのイザコザは終結していない。竜ヶ峰さんが全てをうっちゃったように「解散する」と決めた原因もそこら辺にあったりするのかもしれない。しかし、今のままでは益体も無い逃避に過ぎないなあ。さて、何か思惑でもあるのか、それとも他の人に喝でも入れられるのか。


おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜・11話。阿部さんを欠いたまま試合は終盤へと差し掛かる。その欠落は三橋さんに自立的な変化をもたらしている。阿部さんだけじゃない、ピッチャーである自分には部員みんなの支持力が働いていたんだ、ならばそれに応えて自分でも動かなきゃ…というね。その変化の触媒として、捕手田島さんってェのは実に適任だねェ。三橋さんが自立しようと思う程度に新任で、でも三橋さんをガッチリと支えられる程度に野球巧者、なのな。


キャッチャーとして座ったことで頭がフットーしそうな田島さん。いろいろやらんならんことが多いからだが、ここまで彼の内面が描写されるのは珍しい。どっちかっつーと「便利な切り札」役で、一発行動でドーン! ってなことが多かったからねえ。…ここまでは何とか上手くいってるようだが、しかし彼とモモカンとのサインはモロバレである。最終イニング、どこで気付きどこまで抑えられるか。ハラハラしまんな。


相変わらす細かい描写も面白い。ワシ野球やらんから知らんことが多く、余計にね。右投げ左打ちで打席に立つ三橋さんに「どうも利き腕をこっちに向けてる投手は苦手だな」と投球に困ってる投手とか、言われてみればなるほどですわ。


閃光のナイトレイド・10話。お、石原莞爾出てきた。声は磯部勉か。そしてブチ上げる演説はっちうと…ああ、世界最終戦争論かあ。なるへそ、こういうつながりで核兵器が顔を出してくるワケか。そして予想通り、この時期にもう核が存在する不可思議の理由は預言者…予知能力、未来からの言葉であると。まァその、一言二言だけで原爆へのブレイクスルーが可能となるとはちと考えづらいトコではありますけどねえ。それこそアメリカという巨大なリソースを持ってないとねえ。一ノ瀬さんっちう人がノイマンに比肩さる程の能力を持っててもねえ。…とまあ、ワシのようなヤボな固定観念バカはほっといてですね。


桜井機関の抱える能力持ちさんたちは、どいつもこいつもバックボーンに不安定な過去を抱えている。それが今回の齟齬の原因となったワケですが、桜井さんはそれでも彼らを使おうとする。さて、どうも何かウラもありそうな気はしますけどね。それともああ見えてちょいとお人よしなのかしら。まさかなあ。とまれ、仕事再開までに僅かな静養期間があるのでみなで夜景を見たり何だり。お話の流れ的に「ああ、なんだか最後の歓談のようだ」と思えるのはしょうがあるまい。


案の定タカチホさんの攻勢があるのだが、この人の戦法として「各個撃破にて精神的弱点をつく」ってのがあるワケだ。肉親の情、思想的感情ときて今度はカズラさんへの語りかけであるが、「ロジックの人」っぽいカズラさんだけに効果は抜群だったようで。アオイさんの次はカズラさんの離脱であり、どうにも敵勢力に擾乱されっぱなしの桜井機関でありますな。うん、なんか古臭い戦争陰謀モノっぽくて普通に面白いぞ。よしよし。