レールガン/ハガレン

とある科学の超電磁砲・9話。持たざる者が持てる者となれるという、レベルアッパー。このチートひみつどうぐに心惹かれるキャラとして、サテンさんを持ってくるのはなかなか上手いなと思う。陽気で活発で友達思いでちょいといたずらっ子さんなこの人を心底毛嫌いすることは少々難しかろう。掌を反すように一気に黒化するのではなく、チリッとした一時的な焦りから「穴」に嵌ってしまう彼女。日ごろからある程度ムリして自分を鼓舞して他者に明るく接してきたのであろう気持ちがよく判る。…「いやだな、この気持ち」という台詞はエエね。ドンピシャのキメ台詞じゃないが、なんちうかポテンヒットのような適切さがある。


その「いやだ」と感じた理由ってのが、彼女を救おうと身ィ削って闘った白黒さんの姿だった、ってのは皮肉でもあり妥当でもあるな。自分の非力さと見比べれば確かに消沈もするだろう…特に、サテンさんのように「裏では生真面目な人」であればね。さて、折角明るく楽しい物語なのだし、あまりダウナーな展開にならねばよいのだが、ってまあ、ミコトさんが出張ってくるなら大丈夫、なような気がするのがエライもんですけどね。


白黒さんの「無茶苦茶」な必殺技も楽しかったけれど、それにしても…田中敦子姉さんのぬぎぬぎ科学者はどうにもムダにキャラが立ってるなあ。話見てるとこの人、服を脱がなきゃならないシチュエーションを超自然的なパゥワーで呼び寄せてるような感じもします。そんな属性であのアンニュイキャラってのはかなり、ツボですわ。うん。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・34話。寒い国に来たスパイを疑われる兄弟。氷の国やその女王に圧倒されたり寒かったりしつつ「さてどないしょっか」ってとこで新ホムンクルス出現、である。ふーむ、できたらもうちょっとこの最果て要塞の寒さ厳しさや、あるいは隊員の人となりなんかを一通り味わってから新展開になって欲しかったところではあるけれど。やったことがツララ折りだけ、ってのはやはり少々急ぎ足な感じ。あるいはこのスロウスさんの対処で、要塞内での待遇にブレイクスルーを持ってくる、ってな展開なんかな。


それでもこの基地の雰囲気は、最低限何となく判る程度には描写されている。そもそもワシ、こういう「自足的に何とかやってる閉鎖コミュニティ」ってどうにもツボなのよね。テメエん所で武器弾薬の類を開発生産してるとか、少々ムチャな設定だけど堪りませんな。…戦車や対戦車砲(パンツァーシュレッケ)がどれもこれもドイツ風なのはまあ、キャライメージかしら。どうせならソ連風な方が合ってるような気がせんでもないが。戦車のエンジンだけはどうもソ連ディーゼルっぽいやね、ってどうでもいいか。


オリヴィエ姉ちゃんは冷徹で冷酷だが裏表はない、というイカニモなキャラであってよろしいなあ。緊急時の会話として「答えられることだけ答えろ」で済ませる度量は合理性があってよろしい。それに対して大概「答えられない」と言わざるを得ないエド兄さんの、「…察してくれ」っちう台詞の弱さと焦燥さは好ましい。多分この台詞は姉さん少将の意を引くに充分やろな。


●蛇足。MG誌での沢海陽子さんのコラム、あーどーやらオリヴィエ役を楽しんでやったはるようだな、ってのが判る程度の微笑ましさがあってよろしかったっす。そーか、男装の麗人好きか。ヅカっぽいの好きか。