聖剣の刀鍛冶/銀魂

聖剣の刀鍛冶・3話。アリアさんは人の姿をしたレイピアであり、神殺しの魔剣である。セシリーさんはその護衛を任されるのだが、未だ半人前の身なので困ったりして…という話。人斬りをしたことがなかったり、戦場風景の話を聞いて「何てことを」と青ざめたり、確かにセシリーさんは軍の人間としては未熟であるわな。まァこの先「そして人斬りに抵抗が無くなりました」という風に成長するとはちと思いづらいので、何がしか中庸な道を行くのではあろうけれど。


セシリーさんはともかく、魔剣として数え切れぬ程の死を見てきたであろうアリアさんの言動が少々甘いのは気にかかるけどね。ま、見た目より長命とて五十年程度だし、更にそれ以前の経歴も今んとこ不明だし、何か理由もあるのか知れんが。甘いというよりは「マトモな価値観を保っている」のかな。あと、変身に際してはイカニモなエフェクトとタメが発生してますが、お話が進むとこーゆー演出(?)も無くなってくのかしらん。


そしてこの作品でもケンカ中の主役お二人でして、当然ながら周囲(アリアさん)から見たら仲がえーよなーとしか見えない、というね。うん、仲いいよな。主役が活発でテメエから動く人だと人間関係を構築しやすくてよろしいね。見ててストレスが少ない。


銀魂180話。地雷亜さん暴れ旅決着編。個人的には「詳しく解題される悪」ってのはちと下策で通俗的に過ぎるとは思うのだが、その通俗性をがっちりと推し進めて様式美にまで進められたらまァ、それはそれでアリってなものだ。残虐の裏にある孤独、暴力の原因である愛情。延髄に得物ぶっ刺されてまでもダイイングモノローグを延々と語るってのも様式美の世界。…町一つ・人いっぱいを消滅せんとした行動と天秤に乗る「悲しい過去」ってのもまた、様式美…かなあ。


とまれ、そういう大芝居を演じられる舞台と俳優に恵まれたってのは僥倖なことではありましょうね。演出も物怖じしてないし、屋良有作の人も聞かせるし。またオイシイとこをこそげ取ってった「師匠」の山寺宏一も存在感は流石。


絵的にはまず、残像を引いてモリモリ闘う地雷亜さんのアクションですな。これは見た目に面白かった。そしてクライマックスのモノクロハイコントラストな絵はなかなかのスタイリッシュさ(と一種の古臭さ)があって個人的に高得点でした。んー、こういうキワモノ的な表現がこの作品で見られるとはあまり期待してなかったので、不意打ち的にグッド。